<feed xmlns="http://www.w3.org/2005/Atom"><title>Portfolio</title><link href="https://dflat.amebaownd.com"></link><id>https://dflat.amebaownd.com</id><author><name>春</name></author><updated>2024-08-18T07:45:38+00:00</updated><entry><title><![CDATA[【カフェ102】]]></title><link rel="alternate" href="https://dflat.amebaownd.com/posts/55030189/"></link><id>https://dflat.amebaownd.com/posts/55030189</id><summary><![CDATA[原作、シナリオ担当しています。担当の方から実績としての公開、及びセルフノベライズ許可いただきました。動画内で扱ったエピソードだけではなく、失恋マスターシムラの恋の話などをちまちまかいていきたい所存です。]]></summary><author><name>春</name></author><published>2024-08-18T07:45:38+00:00</published><updated>2024-08-18T07:47:55+00:00</updated><content type="html"><![CDATA[
		<div>
			<p>URL: <a href="https://www.youtube.com/watch?v=Ena5QCry2kk&list=PLhX2iOEiK68mwn2V32SwqMKpPSQzH6v8W">www.youtube.com
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			</p>
		</div>
		<div>
			<p>原作、シナリオ担当しています。</p><p>担当の方から実績としての公開、及びセルフノベライズ許可いただきました。</p><p>動画内で扱ったエピソードだけではなく、失恋マスターシムラの恋の話などをちまちまかいていきたい所存です。</p><p><br></p>
		</div>
	]]></content></entry><entry><title><![CDATA[お仕事：youtube恋愛漫画シナリオ（シナリオ公開）]]></title><link rel="alternate" href="https://dflat.amebaownd.com/posts/40746809/"></link><link rel="enclosure" type="image/png" href="https://cdn.amebaowndme.com/madrid-prd/madrid-web/images/sites/1761353/fd0b2adc532f05b9675a55d1ae85caa2_72b61ade6e2e23a32e78a40af5c94e79.png"></link><id>https://dflat.amebaownd.com/posts/40746809</id><summary><![CDATA[こちらのチャンネルにて何本かシナリオを書かせていただきました。公開済の漫画のシナリオの公開許可を頂きましたので、サンプルとして担当シナリオの一部を公開させていただきます。ing進行形]]></summary><author><name>春</name></author><published>2023-01-19T11:10:11+00:00</published><updated>2023-01-19T11:10:11+00:00</updated><content type="html"><![CDATA[
		<div>
			<p><a href="https://www.youtube.com/@kimiire" target="_blank" class="u-lnk-clr">こちら</a>のチャンネルにて何本かシナリオを書かせていただきました。</p><p>公開済の漫画のシナリオの公開許可を頂きましたので、サンプルとして担当シナリオの一部を公開させていただきます。</p><p><br></p><p>ing進行形</p><p><br></p>
		</div>
	
		<div>
			<img src="https://cdn.amebaowndme.com/madrid-prd/madrid-web/images/sites/1761353/fd0b2adc532f05b9675a55d1ae85caa2_72b61ade6e2e23a32e78a40af5c94e79.png?width=960" width="100%">
		</div>
		

	<div>
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		<a href="https://www.youtube.com/shorts/UdqK1cPaeEg">
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			<small><b>『ing‐進行形』#shorts　#恋愛 #漫画動画   #恋愛漫画</b></small>
			<br>
			<small>女性　彩香（さやか）　24歳女性　あかね　　　　　24歳2人は幼馴染。久しぶりに地元での結婚式での再会。お互い好きで両片思いだけどいつまでも微妙な距離感で…</small>
		</a>
		</figure>
	</div>
		<div>
			<p>右隣の空白</p><p><br></p>
		</div>
	
		<div>
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		</div>
		

	<div>
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		<a href="https://youtube.com/shorts/tLAvahzgMsM?feature=share">
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			<small><b>『右隣の空白』#shorts　#恋愛 #漫画動画   　#恋愛漫画</b></small>
			<br>
			<small>男性　祐樹（ゆうき）　大学生　20歳女性　名前も知らない女性　大学生　２０歳祐樹は電車でよく見かける名前も知らない女性が気になっていた。これは恋なのか何なのか…</small>
		</a>
		</figure>
	</div>
		<div>
			<p>あれ、、、タイトル付け忘れてる、、</p><p><br></p>
		</div>
	
		<div>
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		</div>
		

	<div>
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		<a href="https://youtube.com/shorts/ed90HTGarHk?feature=share">
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			<small><b>『同じ香り』#shorts　#恋愛 #漫画動画  #同棲カップル 　#恋愛漫画　＃いい匂い</b></small>
			<br>
			<small>【登場人物】同棲をはじめたばかりの仲良しカップル女性　風花（ふうか）23歳男性　智也（ともや）25歳</small>
		</a>
		</figure>
	</div>
		<div>
			<p>こちらの連載のシナリオも担当させていただいております</p><p><br></p>
		</div>
	
	<div>
		<figure>
			
		<a href="https://youtube.com/shorts/Ena5QCry2kk?feature=share">
			<img src="https://i.ytimg.com/vi/Ena5QCry2kk/hq2.jpg?sqp=-oaymwEoCOADEOgC8quKqQMcGADwAQH4Ac4FgAKACooCDAgAEAEYVCBeKGUwDw==&rs=AOn4CLCELqCsxV3j9ep-W2srLcI_0C5_zg" width="100%">
			<small><b>連載漫画『カフェ102～はじめの一歩が重すぎる①』#shorts　#恋愛 #漫画動画   #連載漫画 #恋愛漫画</b></small>
			<br>
			<small>第2話→https://www.youtube.com/shorts/05c7zEKnK8w【登場人物】南（みなみ）24歳。カフェ102の副店長。朝～夕方担当。普通の男子。傍観者的なポジション。非協力的なのは、恋愛ごと＝面倒ごとなのとだいたい個人情報保護の為です要（かなめ）22歳。黒髪・メガネ男子　沙織（さおり）...</small>
		</a>
		</figure>
	</div>
		<div>
			<p>可愛らしく仕上げていただけて光栄です。</p><p><br></p><p><br></p>
		</div>
	]]></content></entry><entry><title><![CDATA[お仕事情報：ゲームシナリオ]]></title><link rel="alternate" href="https://dflat.amebaownd.com/posts/38589717/"></link><id>https://dflat.amebaownd.com/posts/38589717</id><summary><![CDATA[こちらの作品にシナリオで参加させていただいております。「もうひとりいる」　夏生槙]]></summary><author><name>春</name></author><published>2022-11-05T04:30:05+00:00</published><updated>2022-11-05T04:30:55+00:00</updated><content type="html"><![CDATA[
		<div>
			<p>こちらの作品にシナリオで参加させていただいております。</p><p>「もうひとりいる」　夏生槙</p>
		</div>
	
	<div>
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		<a href="https://apps.apple.com/us/app/%E3%83%97%E3%83%AC%E3%82%A4%E3%81%99%E3%82%8B%E6%80%96%E3%81%84%E8%A9%B1%E9%9B%A8-%E3%83%9E%E3%83%AB%E3%83%81%E3%82%A8%E3%83%B3%E3%83%89%E5%9E%8B%E3%83%9B%E3%83%A9%E3%83%BC%E3%83%8E%E3%83%99%E3%83%AB%E3%82%B2%E3%83%BC%E3%83%A0/id6443824386">
			<img src="https://is5-ssl.mzstatic.com/image/thumb/Purple112/v4/5f/3b/f8/5f3bf8b0-bbed-d11e-5600-332206e1d1cb/AppIcon-0-0-1x_U007emarketing-0-0-0-7-0-0-sRGB-0-0-0-GLES2_U002c0-512MB-85-220-0-0.png/1200x630wa.png" width="100%">
			<small><b>‎プレイする怖い話雨 マルチエンド型ホラーノベルゲーム</b></small>
			<br>
			<small>‎選択で結末が変わる「マルチエンド」のホラーノベルシリーズ『プレ怖』
今作は複数人のライターが参加し、それぞれ特徴の違う恐怖の物語を描く。
ここでしか読めない完全オリジナルのホラーシナリオ！

シナリオは全６話。各シナリオごとに、選択肢によって変化する複数のエンディングがあります。
セーブは各シナリオ中のどこでも出来るようになっています。
オフライン時でも遊べます。


〜基本操作〜
画面タップで物語が進みます。
シナリオ中には
・セーブ、ロード
・スキップ、オートモード
・バックログ
・コンフィグ
などの機能を使うことができます。

〜こんな人におすすめ〜
・意味が分かると怖い話（意味怖）や洒…</small>
		</a>
		</figure>
	</div>]]></content></entry><entry><title><![CDATA[小説サンプル２（ライトBL)]]></title><link rel="alternate" href="https://dflat.amebaownd.com/posts/35759544/"></link><id>https://dflat.amebaownd.com/posts/35759544</id><summary><![CDATA[愛の言葉が思い浮かばない(BL)　 好き嫌いかでいうまでもなく、圧倒的に好き。ただそれだけで、その気持ちを『恋』だと決め付けるのはどうかと思う。　俺がそう言うと、友人二人のうち一人は「まあそうだな」と頷いて、もう片方は何故か苦々しい顔で紙パックに挿したストローを噛んだ。「何それ、どういう表情？」「何言ってんだこいつって顔だよ。何言ってんだお前」「いや、だってさあ」「往生際が悪い」　続く言葉は、バッサリ。そう表現するに相応しい切り口。　その隣で、もう一人が「まあそうだな」と頷く。――コピペで喋るのはやめてほしい。「俺は二人のことも好きだよ」　わざわざ『嫌い』を持ち出さなくても、俺は二人のことが『好き』。　同じ言葉を使うのだから、俺の好きは『恋』ではない。そう思っているんだけれど。「圧倒的に？」「え。いやそれは別に、ないかな」「だよな。その差は何よって話じゃん」　重さの違い。その意味とか理由とか原因とかを問われるとちょっと言葉が出なくて。誤魔化すように、手に持ったままだった卵サンドを頬張った。（だって圧倒的に好きなのは事実だ。）「ていうかいきなり何、誰かに何か言われた？」　自分の食事がひと段落したことでコピペ回答縛りは終わったらしい。めんどくささを隠しもしない表情でいちごオレを吸引する片割れに代わって、もう一人が会話を引き継いだ。「いや、直接何か言われたわけじゃないけど」　俺の視線は、教室の隅でグループを形成する女子の集団に。　クラスの中ではおとなしく、皆校則をきっちり守った保守的な制服の着こなしをしているグループだ。普段ほとんど関わりのない人達なのだけれど「あそこの子ら、俺と圭君でボーイズラブ書いてる」　見ちゃったんだよなあ。ノート。　見るつもりで見たわけではなく、事故的に、不可抗力で。「……わあ」「いや、べつにいんだけどねそれは。どっちかっていうと見ちゃったほうが悪いかなって」「いやそれ怒っていいとこだと思う」「謎に心が広い……」　そりゃあ、思うところがないわけじゃない。でもここで問題を表面化させたところで俺にも彼女らにも良いことは何一つないだろう。　ただ、なんとなく面白くないのは――俺の気持ちに、勝手に名前を付けられたからだ。「恋愛的に好きだって言ってた。俺が、圭君に」「具体的な話はやめろ！」「そりゃ好きだけどさー大好きだけどさー！」　『好き』であることに間違いは無い。俺は彼のことが、多分、世界でもトップクラスに好き。　でも、恋だの愛だのはまた別の話じゃないのかな。俺はまだその気持ちを知らなくて、見分けることすらできないのに。「何、清良俺のこと好きなの」　机に突っ伏した俺の髪を、ふんわりと撫でる手があった。「うん」　所用で外していたボーイズラブの相方、圭君が戻ってきたらしい。タイミングよく告白を聞かれてしまったわけだけれど、特に恥ずかしさも気まずさも無い。　圭君は知っているから。俺の気持ちを、誰よりも正確に。「知ってる」　そう言っていたずらに笑う圭君はとても綺麗だ。（目の前の二人が微かに動揺したのを、俺は見逃さなかった）「おかえり、圭君」「ただいま。何の話……っていうのは聞かないほうがよさそうだ」　当たり前のように隣の椅子に腰を下ろす圭君に曖昧な笑顔を返し、ちらりと例のボーイズラブグループに視線を送る。　ああ、盛り上がってるな。こちらの声が聞こえる距離ではないけれど、圭君の美少年スマイルひとつあれば昼食のデザートトークには事足りるだろう。　気持ちわはかる。とてもよくわかる。だからわからないんだよ。　あの子達の『好き』と俺の『好き』その違いは、何？　俺の気持ちが特別だったら、『好き』以外の言葉があるはず。　　この『好き』が恋ならば。　この『好き』が愛ならば。　　――俺は、なんて言うんだろう。※タイトルは診断メーカー製槇へのお題は『愛の言葉が思い浮かばない』です。#shindanmakerhttps://shindanmaker.com/392860]]></summary><author><name>春</name></author><published>2022-07-04T23:40:34+00:00</published><updated>2022-07-04T23:40:34+00:00</updated><content type="html"><![CDATA[
		<div>
			<p>愛の言葉が思い浮かばない(BL)</p><p>　</p><p><br></p><p>&nbsp;好き嫌いかでいうまでもなく、圧倒的に好き。ただそれだけで、その気持ちを『恋』だと決め付けるのはどうかと思う。</p><p>　俺がそう言うと、友人二人のうち一人は「まあそうだな」と頷いて、もう片方は何故か苦々しい顔で紙パックに挿したストローを噛んだ。</p><p>「何それ、どういう表情？」</p><p>「何言ってんだこいつって顔だよ。何言ってんだお前」</p><p>「いや、だってさあ」</p><p>「往生際が悪い」</p><p>　続く言葉は、バッサリ。そう表現するに相応しい切り口。</p><p>　その隣で、もう一人が「まあそうだな」と頷く。――コピペで喋るのはやめてほしい。</p><p>「俺は二人のことも好きだよ」</p><p>　わざわざ『嫌い』を持ち出さなくても、俺は二人のことが『好き』。</p><p>　同じ言葉を使うのだから、俺の好きは『恋』ではない。そう思っているんだけれど。</p><p>「圧倒的に？」</p><p>「え。いやそれは別に、ないかな」</p><p>「だよな。その差は何よって話じゃん」</p><p>　重さの違い。その意味とか理由とか原因とかを問われるとちょっと言葉が出なくて。誤魔化すように、手に持ったままだった卵サンドを頬張った。</p><p>（だって圧倒的に好きなのは事実だ。）</p><p>「ていうかいきなり何、誰かに何か言われた？」</p><p>　自分の食事がひと段落したことでコピペ回答縛りは終わったらしい。めんどくささを隠しもしない表情でいちごオレを吸引する片割れに代わって、もう一人が会話を引き継いだ。</p><p>「いや、直接何か言われたわけじゃないけど」</p><p>　俺の視線は、教室の隅でグループを形成する女子の集団に。</p><p>　クラスの中ではおとなしく、皆校則をきっちり守った保守的な制服の着こなしをしているグループだ。普段ほとんど関わりのない人達なのだけれど</p><p>「あそこの子ら、俺と圭君でボーイズラブ書いてる」</p><p>　見ちゃったんだよなあ。ノート。</p><p>　見るつもりで見たわけではなく、事故的に、不可抗力で。</p><p>「……わあ」</p><p>「いや、べつにいんだけどねそれは。どっちかっていうと見ちゃったほうが悪いかなって」</p><p>「いやそれ怒っていいとこだと思う」</p><p>「謎に心が広い……」</p><p>　そりゃあ、思うところがないわけじゃない。でもここで問題を表面化させたところで俺にも彼女らにも良いことは何一つないだろう。</p><p>　ただ、なんとなく面白くないのは――俺の気持ちに、勝手に名前を付けられたからだ。</p><p>「恋愛的に好きだって言ってた。俺が、圭君に」</p><p>「具体的な話はやめろ！」</p><p>「そりゃ好きだけどさー大好きだけどさー！」</p><p>　『好き』であることに間違いは無い。俺は彼のことが、多分、世界でもトップクラスに好き。</p><p>　でも、恋だの愛だのはまた別の話じゃないのかな。俺はまだその気持ちを知らなくて、見分けることすらできないのに。</p><p>「何、清良俺のこと好きなの」</p><p>　机に突っ伏した俺の髪を、ふんわりと撫でる手があった。</p><p>「うん」</p><p>　所用で外していたボーイズラブの相方、圭君が戻ってきたらしい。タイミングよく告白を聞かれてしまったわけだけれど、特に恥ずかしさも気まずさも無い。</p><p>　圭君は知っているから。俺の気持ちを、誰よりも正確に。</p><p>「知ってる」</p><p>　そう言っていたずらに笑う圭君はとても綺麗だ。（目の前の二人が微かに動揺したのを、俺は見逃さなかった）</p><p>「おかえり、圭君」</p><p>「ただいま。何の話……っていうのは聞かないほうがよさそうだ」</p><p>　当たり前のように隣の椅子に腰を下ろす圭君に曖昧な笑顔を返し、ちらりと例のボーイズラブグループに視線を送る。</p><p>　ああ、盛り上がってるな。こちらの声が聞こえる距離ではないけれど、圭君の美少年スマイルひとつあれば昼食のデザートトークには事足りるだろう。</p><p>　気持ちわはかる。とてもよくわかる。だからわからないんだよ。</p><p>　あの子達の『好き』と俺の『好き』その違いは、何？</p><p>　俺の気持ちが特別だったら、『好き』以外の言葉があるはず。</p><p>　</p><p>　この『好き』が恋ならば。</p><p>　この『好き』が愛ならば。</p><p>　</p><p>　――俺は、なんて言うんだろう。</p><p><br></p><p><br></p><p><br></p><p>※タイトルは診断メーカー製</p><p>槇へのお題は『愛の言葉が思い浮かばない』です。</p><p>#shindanmaker</p><p>https://shindanmaker.com/392860</p>
		</div>
	]]></content></entry><entry><title><![CDATA[小説サンプル1　(ライトホラー/冒頭抜粋）]]></title><link rel="alternate" href="https://dflat.amebaownd.com/posts/35758578/"></link><id>https://dflat.amebaownd.com/posts/35758578</id><summary><![CDATA[　子供は純粋な生き物だ。　落ちてるものをとりあえず食ってみたり、本音というナイフで大人の心を切り刻んでみたり。　目に見えるもの、耳に聞こえるものがすべてで、それが真実。落ちてたお菓子が毒だとか、建前という名の嘘だとか疑いもしない。　俺もそんな純粋な子供の1人だった。　天使のように無垢！　とは流石に自称するにも無理があるけれど、世間一般的なレベルの、実に子供らしい子供だったと思う。土地柄（なんせここらは絵に描いたような田舎だ）、ちょっとやんちゃが過ぎる部分はあったけれどそれもまあ、子供らしさの範囲内だ。　いたずらをしては怒られて、妙な遊びで怪我をして。そんな子供時代。 　妖精的な何かが見えてもおかしくはない。　そう。「視えた」んだ。　今となってはもう、気配を感じることもできないけれど。　当たり前に視えていたものがみんなには視えなくて。俺にとっての「当たり前」が皆には「異常」なのだと気づいた時、俺は初めて疑うということを知った。　今でも充分子供だけれど、もう拾い食いなんてしないよ。　どこかの可愛いお姫様みたいに、怪しいばあさんからの林檎も食べない。　疑うことを覚えることが、大人の階段のはじめの一歩なのかもしれない。　 　 ■　夏は暑く冬は寒い。　それは全国共通していえることだけれど、この地方のそれはとても極端な、気候上の『特徴』として語られる。　四方を山に囲まれた土地の宿命だ。　あたりを見渡せば山。少し自転車を漕げば川。そして堂々と立ち並ぶ古い家々に守られるように、この学校は立っている。　私立匡嶺学館。　前身である私塾の始まりは江戸末期。そこから延々、100年を優に超える歴史を誇る西日本を代表する中高一貫の名門校だ。　建物の古さは歴史の証。一部耐震補強や修繕はされているものの、大正時代の面影をがっつりと残した現校舎や正門、どう見ても頼りない煉瓦の塀なんかはレトロだロマンだと一部マニアからかなり人気らしくドラマや映画にも度々登場している。　地元民の俺からすればただの見慣れたボロい建物だけれど、この校舎に憧れた親に無理矢理寮に突っ込まれたという奴も少なくない。　それでなくとも全国トップクラスの進学校。そしてここはド田舎。生徒の半数以上は寮生である。　そんな中、俺は校内では稀少な、中等部寮内では唯一の地元民だ。 「うわっ何だこれ！」　はいはい、寒いね。　ここ最近の恒例となった目覚ましに重い瞼を開けると、同室の江川が興奮気味に窓にへばり付いていた。　起きたまんまのパジャマ姿。寒いならまず上着ればいいのにといつもの小言を準備してベッドから身体を起こす。　携帯で時間を確認。ジャスト6時だ。早朝稽古にはまだ少し早い。「エガ、うるさい」「喜嶋っ見ろよ外！」「外ぉ？」　何を興奮しているんだろう。　布団の上にかけていたフリースを引っつかんで2段ベッドから飛び降りる。　外を見ろといわれても、窓の外はまだ太陽も出ていない、ただの暗闇だ。そもそも寮の裏手は小さな森になっていて、景色もへったくれもない。「超怖えよもしかして今日地球終わるんじゃね？！」　江川の隣に並んで、控え目に顔一つ分の幅だけ開いていたカーテンを思い切り引き開ける。「……それを本気で言ってるなら俺は心の底から日本の未来を憂うわ」　窓の外で待っていたのは、暗闇を漂う濃霧だった。　月明かりも届かないのか、いつもより闇が深い。気持ち程度の明るさしかない敷地内の外灯は完全に用を成さず、朝練組の個室から零れている灯りだけがぼんやりと外を照らしている。「だってこれおかしいだろ！　俺の知ってる霧はこれじゃない！」「この霧はここらの名物だよ。日の出あたりにもっと濃くなって、1時間目が終わるくらいには消える」　これは底霧と呼ばれる、盆地特有の自然現象だ。特にこのあたりは川が多いせいで霧も濃く、古い町並みを包み込むその景色は名物のひとつとして市のホームページでも紹介されている。　学年1位のぶっ飛び妄想にはまた別の不安を覚えるけれど、驚く気持ちはまあ、わからなくもない。　俺も子供の頃はこの霧が怖くてたまらなかった。　幻想的？　冗談じゃない。　見えないのに、視える。それがどんなに怖いか。大人達は、全然わかってくれなかったけれど。「へええええ……すげえなあー」「よくあることだからいちいちビビんないように。あと、お前そろそろレベル上の上着買っとけよ。死ぬぞ」　まだ早過ぎるくらい早いけど、このまま江川に付き合うのもだるい。　カゴの中から洗顔フォームと歯磨きセットを引っこ抜き、ケースからタオルを1枚、取り出す。「今日どっち？」「道場の方」「午後の部活はないんだろ？　学校終わったら行く？　祭り」　朝イチから妙にテンションが高いのはそのせいか。。　地元民からすれば何がそんなに……と思わずにはいられない祭りでも、移り住んで半年程のよそ者からすれば一大イベントなのだろう。娯楽という娯楽も無いこの生活じゃあ、無理もないことなのかもしれない。「行くけど、俺ゲスト側じゃねえから。まー好きに楽しんだらいいよ」　洗面セット一式を手に部屋を出る。　出るついでに暖房のスイッチを入れてやると、江川は後ろから「ありがとう大好き！」と大げさなお礼の言葉をくれた。■「さっみいー……」　身支度を済ませて寮を出ると、予想を越える冷さがむき出しの肌を襲った。　ポケットに手を入れるのは好きじゃないけど、今日ばかりは仕方が無い。本音を言うなら顔だって全面何かで覆ってしまいたいくらいだ。　この冷気が底霧を呼ぶ。「まだ11月」だと思っていたけれど、「もう11月」だ。1年が経つのは本当に早い。　寮の敷地を出て一路、馴染みの道場を目指す。　俺は学校の部活動とは別に地元の剣道会に所属している。そちらの練習は週3日、そのうちの土曜日の朝稽古と、日曜日の夜稽古をメインに参加しているのだけれど、そろそろ部活一本にしたらどうだと双方の大人に言われているところだ。　まあ、無理矢理に、許可とってまで道場に通い続けるメリットなんて無いに等しいわけだけど。（……通っちゃうんだよなあ）　道場までの道程、この町並みが好きだ。　朝イチの、汚れてない空気が好きだ。　そして何より、道場から懐かしい『気配』がするような気がして。俺は道場通いを止められない。　長い塀をつたうように、通いなれた道をずんずんと進む。　この塀が現れたらもうほぼゴール……と見せ掛けてここからがまた長い。　このあたりのお屋敷はどれもこれも立派なものだけれど、この家はあらゆる意味でレベルが違う。　何せ剣道会が借りている道場はこの家の個人的な所有物なのだ。それも柔・剣・弓を兼ね備えたそれはもう立派な建物で、道場入り口にかがげられている年表によると建てられたのはなんと大正時代。当時としては洒落た西洋建築だったのだろうが、今では匡嶺と並ぶマニア垂涎の建造物だ。　そしてその道場は、この町一番の名家中尾家の敷地内、つまりこの塀の内側にある。　道場は家の裏手に位置していて、道場使用者は小ぶりの通用門から出入りする決まりだ。（屋敷と道場の間には生垣と屋敷林で境界線が引かれていて、道場側から入ることは出来ない）　お屋敷の立派な正門をスルーして、さらにずんずん、奥へ。　最初の角を右折して、また、直進。「……あれ？」　何かがおかしい。　それに気づくのに時間はかからなかった。　一度足を止めて、後ろと前を交互に見渡す。　霧と闇に覆いつくされた一本道。　中尾さんちの塀が闇に吸い込まれるように伸びている。　まあそれは予想通りの景色だ。　だけどちょっと待て。　中尾さんちの壁にたどり着いて、俺はどれだけ歩いた？　右折までは普通だった。歩いただけ進んだという実感があった。当たり前だけど。　右折後の直進。ここからが問題だ。「……壁、長くね？」　結構歩いたはずなのに、全然壁が途切れない。 　いつもならとっくに通用門にたどり着いている頃なのに、ここに至るまでそんなものどこにもなかった。（あ、まずい）（これやばいやつだ）　久しぶりに脳内警報が発令される。　それと同時に、ドンッという強い衝撃を伴い何かが両肩にのしかかった。（やばいやばいやばいやばいやばいやばいやばいやばいやばい！）　これはなあに？　なんて後ろを振り返る勇気はない。　どうして、なんで。　ここ数年、こんなこと全然なかったのに。　経験上、あまり騒ぐのは得策ではないとわかっている。　ここは慎重に、かつ冷静に。　唯一の命綱になるかもしれない中尾さんちの塀に手をついて、文字通り手で壁を伝いながら少しずつ足を進めることにする。（くっそ……）　声を出しちゃだめだ。返事されても困る。　今俺に出来るのは、背負っている謎の重みをズルズルと引きずりながらの前進。　経験って無駄にならないんだな。なんて、冷静な自分に拍手喝采したいくらいだ。　冷静になってみれば、色々とおかしな点に気づく。　土曜日とはいえ、誰ともすれ違わないなんておかしい。大体、空が暗すぎる。そろそろ空も白じむ頃だろうに、目の前に広がる空は真っ暗闇のままだ。　さらにこの霧。どんだけ深いの。光が届かない程、なんて。いくらなんでも普通じゃない。　そして何より。　そんな最悪のコンデションの中普通に外に出てきた俺がおかしい。（……これ呼ばれてるよなあ俺） そしてついでに。（つか俺の目ん玉はいつから暗視カメラになったの……？）　光が届かない世界。　それなのに、俺の視界は笑える程通常運転だ。　呼ばれているのなら、このまま進むのはまずいだろう。　だけど、あちらが敷いたレールから逸れるのも怖い（嫌な予感しかしない）　さあ、どうしよう？　正解があるとは思えないこの状況。右の掌に感じる壁の感触がすごく頼もしく感じる。 　ぺた、ぺた。 　――ズル、ズル。 　ぺた、ぺた。 　――ズル、ズル。　全く心の安らがない2つの音のハーモニー。　これが『現実』だと自分に言い聞かせるように、わざと壁を叩くようにして歩いた。 　　 　俺が『それ』に悩まされていたのは、小学校に上がる前から低学年頃まで。　当時の俺は視えすぎる程視える子供で、何かが足りない人、逆に多過ぎる人、人ではない何かまで、幅広いジャンルを網羅していた。　おかあさん、あそこに女の子がいるよ。　おかあさん、あの人なんで目から血が出てるの？　おかあさん、おかあさん　こちらとしては「なんでポストは赤いの？」と同程度の疑問だったのだけれど、母親はたまったものではなかっただろう。　初めの頃は適当に相手をしてくれていたけれど、最後の方は『それ』に関する口外を一切禁じられてしまった。　ところが困ったことに、俺には人型の『それ』と『人間』の区別がつかない。　過不足などのわかりやすい特徴があればいいのだけれど、近寄ってみなければわからないような奴は沢山いた。　毎日が疑心暗鬼。それに加え、視える子供である俺は『それ』各種にそりゃあもうモテた。人生に3度くらいあるらしいモテ期のひとつとカウントされても文句が言えない程モテた。　だけど所詮はただ視えるだけの子供だ。　か弱い幼稚園児にズバっと解決なんてできるわけもない。それどころか身を守ることすら危うかった。　毎日のように起こる『それ』の悪戯は死ぬほど怖かったし、実際死に掛けたこともあったように思う。　誰にも言っちゃいけない。この言葉は大きなプレッシャーだった。　誰にも信じてもらえない。その事実もまた、心に負担をかけた。　それでよくここまで健やかに、逞しく育ったものだと自分で自分を褒めてやりたい。 　……いや、これは本気で。　もし『あの子』に出会わなかったら、もうちょっと屈折した人間に仕上がっていたかもしれない（いや、仕上がってるならまだいいか）　何度も助けてくれた。何より俺を信じてくれた。　幼かった頃の俺の、たったひとりの味方。　会った回数は数える程。　本当にやばい時に神社に行けば会える、ゲームの隠しキャラみたいな存在だったけれど、俺は『あの子』が大好きだったんだ。（……あの子が一番浮世離れしてたよなあ） 　ぺた、ぺた。　歩きながら、記憶の引き出しを淡々と開けていく。　似たようなことは無かったかと解決方法を探るのが目的だったのに、『あの子』の記憶に触れた時、ふと表情が緩んだ。（実は人間じゃありませんでした、って言われても信じる）　お高い西洋人形みたいな綺麗な顔に、金色の目。　一応人間には見えたけれど、少なくとも日本人には見えなかった。　目も髪も綺麗で、可愛くて、ふわっふわした笑顔がとにっかく格別。13年の人生、決して長くはないけれど『あの子』以上に整った生き物を俺は他にしらない。（……なあ、コレどうしたらいいと思う？）　あの子は『視える』子ではなかったけれど、不思議とこういう状況を打破する能力に長けていた。　特別なことをするわけではなく、何の根拠も無いなんとなくの行動で、壁と壁の間をすり抜けるようにピンチを救ってくれたのだ。　考えろ。俺。　今、この場にあの子がいたらどうする？（すげえこわいよ。教えてよ……『ケイちゃん』）　導くように、あの子がしっかりと繋いでくれていた手は、今は力なく塀を叩「え」「え？」 　――叩こうとした瞬間。身体がぐらりと右に傾いた。　同じリズム、等間隔で叩いていた壁の手応えが消え、背中の重みごとそのまま地面へと倒れこむ。　穴が開いた？　咄嗟に考えたのはそれだ。唐突すぎる展開に心臓と頭がついていかない。 「ごめんなさいっ人が寄りかかってるって気付かなくて……大丈夫ですか？」 　人だ。人がいる。　勢いよく起き上がると、身体はまだずっしりと重い。そして不思議なことに、ただの壁であった場所に見慣れた通用門が現れていた。　穴が開いたのではなく内側から開かれたのだ。――まるで俺に応えるかのように。最高のタイミングで。「……だ……だいじょうぶ、です」　助かった、のか？　それともこれも罠？　どちらにせよいつまでも座っているわけにはいかないと、両手に気合いと力を込める。　けれど体勢が崩れたことに気をよくしたのか、背中の『何か』はその倍以上の気合いを込めて俺の身体を押さえつけ始めた。 （くっそ……っ重ぇ……！）「……もしかしてどこか怪我したんじゃ」「い、いや、そういうわけじゃ！」 　素振りだけで一向に立ち上がろうとしない俺をおかしく思ったのか、門を開けてくれたその人が上から顔を覗き込むように俺の後ろに立った。　背中の『それ』を視界に入れないよう、首だけを動かし見上げる。「剣道会の人……だよね？　わーどうしよう……」「……え」 　――ただでさえ忙しなかった心臓が、いよいよ止まるかと思った。　そこにあったのは、心配と戸惑いの入り混じった『金色の目』　そして成長こそすれ見間違えようのない完璧に整ったその顔立ちは、まさかと思うまでもなく、紛れもなく　『あの子』だ。「とりあえず道場に……立てるかな……？」　驚きのあまり言葉が出ない。そんな情けない俺を気遣うように、今度は俺の正面に回ってその場にしゃがみこんだ。「3カウントで行こう。無理そうなら大人呼ぶから」　俺の腕に、『ケイちゃん』の手が触れる。「……3、2、1」　ぐっと、力が込められたその瞬間、自分でもびっくりするほど簡単に身体が持ち上がった。　ダンベルを振り続けた後手を振り回したらすげえ軽いっていうあの感覚。　思わずぐっと踏ん張ったけど、ケイちゃんも予想以上の手応えに驚いたのか少しだけバランスを崩した。「……嘘だろ」　思わず零れた一言に、ん？　と小首をかしげる様が可愛い。……じゃなくて。　あんなに重たかったものが、一瞬にして消えた。重みはおろか、気配ごとなくなっている。 「立てたね。大丈夫そう、かな？」「……もう全然大丈夫。怪我もないよ。ごめん、ありがと」　軽くなった両肩を撫でながら呆然と応える俺に、ケイちゃんはよかった、と微笑みを浮かべ俺が投げ出していた道具入りのショルダーバッグを拾い上げた。「あの、」「道場の鍵、すぐに開けるから」 　丁寧に砂を払って、何故かそれを自分の肩に。　……派手に転倒した俺への気遣いなのだろうか。華奢な身体に重いショルダーの紐が食い込むのを見て、慌てて荷物に手を伸ばす。「ごめんっ自分で持つからっ」「いいよ。転ばせちゃったお詫び。……あ、じゃあそれ持ってきてくれる？」　それ、とケイちゃんが指を指したのは、置石の上に転がっている竹箒だ。　お詫びも何も心の底からありがとうといわなければならないのはこちらの方なのだけれど、とりあえず言われるがまま箒の柄をつかむ。「……掃除？」「うん。木が多いからねー。掃いても掃いてもってカンジだけど、朝稽古の人達が来るまでにこの門の周りくらいはと思って」　ああ、それを邪魔したのは俺か。　いやいや、待て待て。今気にするべき点はそこではない。　道場方向に向かって歩き始めたケイちゃんの後ろを追いながら、その背中に話しかけた。「……どうしてそんなことするの？」「放っておいたら汚いじゃない」「そりゃそうだけど……お手伝いさんいるじゃん、この家」「勤務時間外でーす」　いやいや。待て待て。そこでもない。　しっかりしろ。……浮かれるな、俺。「……いつからいるの？」 　　勇気を振り絞った割に、やっぱりちょっとピントがずれる。　けれどケイちゃんはぴたりと足を止め、こちらにちらりと視線をよこした。「ていうか、そのっ……俺のこと、」　気持ちが足を急かす。　横に並んで、一歩だけ前に。今度はこちらが振り向く形になる。「――今日は霧が濃いね」　俺の二の句を止めたのは、そんな言葉と、妖しげな微笑み。「霧の中の再会。ドラマチックだなあ。そう思わない？　――アヤ」　霧の中、光を取り戻した世界。　か弱い光を反射して、きらりとひかる2つの瞳は、ゾクゾクするほど綺麗だった。 　 ]]></summary><author><name>春</name></author><published>2022-07-04T22:36:52+00:00</published><updated>2022-07-04T22:36:52+00:00</updated><content type="html"><![CDATA[
		<div>
			<p>　子供は純粋な生き物だ。</p><p>　落ちてるものをとりあえず食ってみたり、本音というナイフで大人の心を切り刻んでみたり。</p><p>　目に見えるもの、耳に聞こえるものがすべてで、それが真実。落ちてたお菓子が毒だとか、建前という名の嘘だとか疑いもしない。</p><p>　俺もそんな純粋な子供の1人だった。</p><p>　天使のように無垢！　とは流石に自称するにも無理があるけれど、世間一般的なレベルの、実に子供らしい子供だったと思う。土地柄（なんせここらは絵に描いたような田舎だ）、ちょっとやんちゃが過ぎる部分はあったけれどそれもまあ、子供らしさの範囲内だ。</p><p>　いたずらをしては怒られて、妙な遊びで怪我をして。そんな子供時代。</p><p> 　妖精的な何かが見えてもおかしくはない。</p><p>　そう。「視えた」んだ。</p><p>　今となってはもう、気配を感じることもできないけれど。</p><p>　当たり前に視えていたものがみんなには視えなくて。俺にとっての「当たり前」が皆には「異常」なのだと気づいた時、俺は初めて疑うということを知った。</p><p>　今でも充分子供だけれど、もう拾い食いなんてしないよ。</p><p>　どこかの可愛いお姫様みたいに、怪しいばあさんからの林檎も食べない。</p><p>　疑うことを覚えることが、大人の階段のはじめの一歩なのかもしれない。　 　 </p><p><br></p><p>■</p><p>　夏は暑く冬は寒い。</p><p>　それは全国共通していえることだけれど、この地方のそれはとても極端な、気候上の『特徴』として語られる。</p><p>　四方を山に囲まれた土地の宿命だ。</p><p>　あたりを見渡せば山。少し自転車を漕げば川。そして堂々と立ち並ぶ古い家々に守られるように、この学校は立っている。</p><p>　私立匡嶺学館。</p><p>　前身である私塾の始まりは江戸末期。そこから延々、100年を優に超える歴史を誇る西日本を代表する中高一貫の名門校だ。</p><p>　建物の古さは歴史の証。一部耐震補強や修繕はされているものの、大正時代の面影をがっつりと残した現校舎や正門、どう見ても頼りない煉瓦の塀なんかはレトロだロマンだと一部マニアからかなり人気らしくドラマや映画にも度々登場している。</p><p>　地元民の俺からすればただの見慣れたボロい建物だけれど、この校舎に憧れた親に無理矢理寮に突っ込まれたという奴も少なくない。</p><p>　それでなくとも全国トップクラスの進学校。そしてここはド田舎。生徒の半数以上は寮生である。</p><p>　そんな中、俺は校内では稀少な、中等部寮内では唯一の地元民だ。 </p><p>「うわっ何だこれ！」</p><p>　はいはい、寒いね。</p><p>　ここ最近の恒例となった目覚ましに重い瞼を開けると、同室の江川が興奮気味に窓にへばり付いていた。</p><p>　起きたまんまのパジャマ姿。寒いならまず上着ればいいのにといつもの小言を準備してベッドから身体を起こす。</p><p>　携帯で時間を確認。ジャスト6時だ。早朝稽古にはまだ少し早い。</p><p>「エガ、うるさい」</p><p>「喜嶋っ見ろよ外！」</p><p>「外ぉ？」</p><p>　何を興奮しているんだろう。</p><p>　布団の上にかけていたフリースを引っつかんで2段ベッドから飛び降りる。</p><p>　外を見ろといわれても、窓の外はまだ太陽も出ていない、ただの暗闇だ。そもそも寮の裏手は小さな森になっていて、景色もへったくれもない。</p><p>「超怖えよもしかして今日地球終わるんじゃね？！」</p><p>　江川の隣に並んで、控え目に顔一つ分の幅だけ開いていたカーテンを思い切り引き開ける。</p><p>「……それを本気で言ってるなら俺は心の底から日本の未来を憂うわ」</p><p>　窓の外で待っていたのは、暗闇を漂う濃霧だった。</p><p>　月明かりも届かないのか、いつもより闇が深い。気持ち程度の明るさしかない敷地内の外灯は完全に用を成さず、朝練組の個室から零れている灯りだけがぼんやりと外を照らしている。</p><p>「だってこれおかしいだろ！　俺の知ってる霧はこれじゃない！」</p><p>「この霧はここらの名物だよ。日の出あたりにもっと濃くなって、1時間目が終わるくらいには消える」</p><p>　これは底霧と呼ばれる、盆地特有の自然現象だ。特にこのあたりは川が多いせいで霧も濃く、古い町並みを包み込むその景色は名物のひとつとして市のホームページでも紹介されている。</p><p>　学年1位のぶっ飛び妄想にはまた別の不安を覚えるけれど、驚く気持ちはまあ、わからなくもない。</p><p>　俺も子供の頃はこの霧が怖くてたまらなかった。</p><p>　幻想的？　冗談じゃない。</p><p>　見えないのに、視える。それがどんなに怖いか。大人達は、全然わかってくれなかったけれど。</p><p>「へええええ……すげえなあー」</p><p>「よくあることだからいちいちビビんないように。あと、お前そろそろレベル上の上着買っとけよ。死ぬぞ」</p><p>　まだ早過ぎるくらい早いけど、このまま江川に付き合うのもだるい。</p><p>　カゴの中から洗顔フォームと歯磨きセットを引っこ抜き、ケースからタオルを1枚、取り出す。</p><p>「今日どっち？」</p><p>「道場の方」</p><p>「午後の部活はないんだろ？　学校終わったら行く？　祭り」</p><p>　朝イチから妙にテンションが高いのはそのせいか。。</p><p>　地元民からすれば何がそんなに……と思わずにはいられない祭りでも、移り住んで半年程のよそ者からすれば一大イベントなのだろう。娯楽という娯楽も無いこの生活じゃあ、無理もないことなのかもしれない。</p><p>「行くけど、俺ゲスト側じゃねえから。まー好きに楽しんだらいいよ」</p><p>　洗面セット一式を手に部屋を出る。</p><p>　出るついでに暖房のスイッチを入れてやると、江川は後ろから「ありがとう大好き！」と大げさなお礼の言葉をくれた。</p><p><br></p><p><br></p><p><br></p><p><br></p><p>■</p><p>「さっみいー……」</p><p>　身支度を済ませて寮を出ると、予想を越える冷さがむき出しの肌を襲った。</p><p>　ポケットに手を入れるのは好きじゃないけど、今日ばかりは仕方が無い。本音を言うなら顔だって全面何かで覆ってしまいたいくらいだ。</p><p>　この冷気が底霧を呼ぶ。「まだ11月」だと思っていたけれど、「もう11月」だ。1年が経つのは本当に早い。</p><p>　寮の敷地を出て一路、馴染みの道場を目指す。</p><p>　俺は学校の部活動とは別に地元の剣道会に所属している。そちらの練習は週3日、そのうちの土曜日の朝稽古と、日曜日の夜稽古をメインに参加しているのだけれど、そろそろ部活一本にしたらどうだと双方の大人に言われているところだ。</p><p>　まあ、無理矢理に、許可とってまで道場に通い続けるメリットなんて無いに等しいわけだけど。</p><p>（……通っちゃうんだよなあ）</p><p>　道場までの道程、この町並みが好きだ。</p><p>　朝イチの、汚れてない空気が好きだ。</p><p>　そして何より、道場から懐かしい『気配』がするような気がして。俺は道場通いを止められない。</p><p>　長い塀をつたうように、通いなれた道をずんずんと進む。</p><p>　この塀が現れたらもうほぼゴール……と見せ掛けてここからがまた長い。</p><p>　このあたりのお屋敷はどれもこれも立派なものだけれど、この家はあらゆる意味でレベルが違う。</p><p>　何せ剣道会が借りている道場はこの家の個人的な所有物なのだ。それも柔・剣・弓を兼ね備えたそれはもう立派な建物で、道場入り口にかがげられている年表によると建てられたのはなんと大正時代。当時としては洒落た西洋建築だったのだろうが、今では匡嶺と並ぶマニア垂涎の建造物だ。</p><p>　そしてその道場は、この町一番の名家中尾家の敷地内、つまりこの塀の内側にある。</p><p>　道場は家の裏手に位置していて、道場使用者は小ぶりの通用門から出入りする決まりだ。（屋敷と道場の間には生垣と屋敷林で境界線が引かれていて、道場側から入ることは出来ない）</p><p>　お屋敷の立派な正門をスルーして、さらにずんずん、奥へ。</p><p>　最初の角を右折して、また、直進。</p><p><br></p><p>「……あれ？」</p><p>　何かがおかしい。</p><p>　それに気づくのに時間はかからなかった。</p><p>　一度足を止めて、後ろと前を交互に見渡す。</p><p>　霧と闇に覆いつくされた一本道。</p><p>　中尾さんちの塀が闇に吸い込まれるように伸びている。</p><p>　まあそれは予想通りの景色だ。</p><p>　だけどちょっと待て。</p><p>　中尾さんちの壁にたどり着いて、俺はどれだけ歩いた？</p><p>　右折までは普通だった。歩いただけ進んだという実感があった。当たり前だけど。</p><p>　右折後の直進。ここからが問題だ。</p><p>「……壁、長くね？」</p><p>　結構歩いたはずなのに、全然壁が途切れない。</p><p> 　いつもならとっくに通用門にたどり着いている頃なのに、ここに至るまでそんなものどこにもなかった。</p><p>（あ、まずい）</p><p>（これやばいやつだ）</p><p>　久しぶりに脳内警報が発令される。</p><p>　それと同時に、ドンッという強い衝撃を伴い何かが両肩にのしかかった。</p><p>（やばいやばいやばいやばいやばいやばいやばいやばいやばい！）</p><p>　これはなあに？　なんて後ろを振り返る勇気はない。</p><p>　どうして、なんで。</p><p>　ここ数年、こんなこと全然なかったのに。</p><p>　経験上、あまり騒ぐのは得策ではないとわかっている。</p><p>　ここは慎重に、かつ冷静に。</p><p>　唯一の命綱になるかもしれない中尾さんちの塀に手をついて、文字通り手で壁を伝いながら少しずつ足を進めることにする。</p><p>（くっそ……）</p><p>　声を出しちゃだめだ。返事されても困る。</p><p>　今俺に出来るのは、背負っている謎の重みをズルズルと引きずりながらの前進。</p><p>　経験って無駄にならないんだな。なんて、冷静な自分に拍手喝采したいくらいだ。</p><p><br></p><p>　冷静になってみれば、色々とおかしな点に気づく。</p><p>　土曜日とはいえ、誰ともすれ違わないなんておかしい。大体、空が暗すぎる。そろそろ空も白じむ頃だろうに、目の前に広がる空は真っ暗闇のままだ。</p><p>　さらにこの霧。どんだけ深いの。光が届かない程、なんて。いくらなんでも普通じゃない。</p><p>　そして何より。</p><p>　そんな最悪のコンデションの中普通に外に出てきた俺がおかしい。</p><p>（……これ呼ばれてるよなあ俺）</p><p> そしてついでに。</p><p>（つか俺の目ん玉はいつから暗視カメラになったの……？）</p><p>　光が届かない世界。</p><p>　それなのに、俺の視界は笑える程通常運転だ。</p><p>　呼ばれているのなら、このまま進むのはまずいだろう。</p><p>　だけど、あちらが敷いたレールから逸れるのも怖い（嫌な予感しかしない）</p><p>　さあ、どうしよう？</p><p>　正解があるとは思えないこの状況。右の掌に感じる壁の感触がすごく頼もしく感じる。</p><p><br></p><p> 　ぺた、ぺた。</p><p> 　――ズル、ズル。</p><p> 　ぺた、ぺた。</p><p> 　――ズル、ズル。</p><p><br></p><p>　全く心の安らがない2つの音のハーモニー。</p><p>　これが『現実』だと自分に言い聞かせるように、わざと壁を叩くようにして歩いた。 　　 </p><p>　俺が『それ』に悩まされていたのは、小学校に上がる前から低学年頃まで。</p><p>　当時の俺は視えすぎる程視える子供で、何かが足りない人、逆に多過ぎる人、人ではない何かまで、幅広いジャンルを網羅していた。</p><p><br></p><p>　おかあさん、あそこに女の子がいるよ。</p><p>　おかあさん、あの人なんで目から血が出てるの？</p><p>　おかあさん、おかあさん<br></p><p><br></p><p>　こちらとしては「なんでポストは赤いの？」と同程度の疑問だったのだけれど、母親はたまったものではなかっただろう。</p><p>　初めの頃は適当に相手をしてくれていたけれど、最後の方は『それ』に関する口外を一切禁じられてしまった。</p><p>　ところが困ったことに、俺には人型の『それ』と『人間』の区別がつかない。</p><p>　過不足などのわかりやすい特徴があればいいのだけれど、近寄ってみなければわからないような奴は沢山いた。</p><p>　毎日が疑心暗鬼。それに加え、視える子供である俺は『それ』各種にそりゃあもうモテた。人生に3度くらいあるらしいモテ期のひとつとカウントされても文句が言えない程モテた。</p><p>　だけど所詮はただ視えるだけの子供だ。</p><p>　か弱い幼稚園児にズバっと解決なんてできるわけもない。それどころか身を守ることすら危うかった。</p><p>　毎日のように起こる『それ』の悪戯は死ぬほど怖かったし、実際死に掛けたこともあったように思う。</p><p>　誰にも言っちゃいけない。この言葉は大きなプレッシャーだった。</p><p>　誰にも信じてもらえない。その事実もまた、心に負担をかけた。</p><p>　それでよくここまで健やかに、逞しく育ったものだと自分で自分を褒めてやりたい。</p><p> 　……いや、これは本気で。</p><p>　もし『あの子』に出会わなかったら、もうちょっと屈折した人間に仕上がっていたかもしれない（いや、仕上がってるならまだいいか）</p><p>　何度も助けてくれた。何より俺を信じてくれた。</p><p>　幼かった頃の俺の、たったひとりの味方。</p><p>　会った回数は数える程。</p><p>　本当にやばい時に神社に行けば会える、ゲームの隠しキャラみたいな存在だったけれど、俺は『あの子』が大好きだったんだ。</p><p>（……あの子が一番浮世離れしてたよなあ）</p><p> 　ぺた、ぺた。</p><p>　歩きながら、記憶の引き出しを淡々と開けていく。</p><p>　似たようなことは無かったかと解決方法を探るのが目的だったのに、『あの子』の記憶に触れた時、ふと表情が緩んだ。</p><p>（実は人間じゃありませんでした、って言われても信じる）</p><p>　お高い西洋人形みたいな綺麗な顔に、金色の目。</p><p>　一応人間には見えたけれど、少なくとも日本人には見えなかった。</p><p>　目も髪も綺麗で、可愛くて、ふわっふわした笑顔がとにっかく格別。13年の人生、決して長くはないけれど『あの子』以上に整った生き物を俺は他にしらない。</p><p>（……なあ、コレどうしたらいいと思う？）</p><p>　あの子は『視える』子ではなかったけれど、不思議とこういう状況を打破する能力に長けていた。</p><p>　特別なことをするわけではなく、何の根拠も無いなんとなくの行動で、壁と壁の間をすり抜けるようにピンチを救ってくれたのだ。</p><p>　考えろ。俺。</p><p>　今、この場にあの子がいたらどうする？</p><p>（すげえこわいよ。教えてよ……『ケイちゃん』）</p><p>　導くように、あの子がしっかりと繋いでくれていた手は、今は力なく塀を叩</p><p>「え」</p><p>「え？」</p><p> 　――叩こうとした瞬間。身体がぐらりと右に傾いた。</p><p>　同じリズム、等間隔で叩いていた壁の手応えが消え、背中の重みごとそのまま地面へと倒れこむ。</p><p>　穴が開いた？</p><p>　咄嗟に考えたのはそれだ。唐突すぎる展開に心臓と頭がついていかない。</p><p> </p><p>「ごめんなさいっ人が寄りかかってるって気付かなくて……大丈夫ですか？」</p><p> </p><p>　人だ。人がいる。</p><p>　勢いよく起き上がると、身体はまだずっしりと重い。そして不思議なことに、ただの壁であった場所に見慣れた通用門が現れていた。</p><p>　穴が開いたのではなく内側から開かれたのだ。――まるで俺に応えるかのように。最高のタイミングで。</p><p>「……だ……だいじょうぶ、です」</p><p>　助かった、のか？</p><p>　それともこれも罠？</p><p>　どちらにせよいつまでも座っているわけにはいかないと、両手に気合いと力を込める。</p><p>　けれど体勢が崩れたことに気をよくしたのか、背中の『何か』はその倍以上の気合いを込めて俺の身体を押さえつけ始めた。</p><p> （くっそ……っ重ぇ……！）</p><p>「……もしかしてどこか怪我したんじゃ」</p><p>「い、いや、そういうわけじゃ！」</p><p> </p><p>　素振りだけで一向に立ち上がろうとしない俺をおかしく思ったのか、門を開けてくれたその人が上から顔を覗き込むように俺の後ろに立った。</p><p>　背中の『それ』を視界に入れないよう、首だけを動かし見上げる。</p><p>「剣道会の人……だよね？　わーどうしよう……」</p><p>「……え」</p><p> 　――ただでさえ忙しなかった心臓が、いよいよ止まるかと思った。</p><p>　そこにあったのは、心配と戸惑いの入り混じった『金色の目』</p><p>　そして成長こそすれ見間違えようのない完璧に整ったその顔立ちは、まさかと思うまでもなく、紛れもなく</p><p><br></p><p>　『あの子』だ。</p><p><br></p><p>「とりあえず道場に……立てるかな……？」</p><p>　驚きのあまり言葉が出ない。そんな情けない俺を気遣うように、今度は俺の正面に回ってその場にしゃがみこんだ。</p><p>「3カウントで行こう。無理そうなら大人呼ぶから」</p><p>　俺の腕に、『ケイちゃん』の手が触れる。</p><p>「……3、2、1」</p><p>　ぐっと、力が込められたその瞬間、自分でもびっくりするほど簡単に身体が持ち上がった。</p><p>　ダンベルを振り続けた後手を振り回したらすげえ軽いっていうあの感覚。</p><p>　思わずぐっと踏ん張ったけど、ケイちゃんも予想以上の手応えに驚いたのか少しだけバランスを崩した。</p><p>「……嘘だろ」</p><p>　思わず零れた一言に、ん？　と小首をかしげる様が可愛い。……じゃなくて。</p><p>　あんなに重たかったものが、一瞬にして消えた。重みはおろか、気配ごとなくなっている。</p><p> </p><p>「立てたね。大丈夫そう、かな？」</p><p>「……もう全然大丈夫。怪我もないよ。ごめん、ありがと」</p><p>　軽くなった両肩を撫でながら呆然と応える俺に、ケイちゃんはよかった、と微笑みを浮かべ俺が投げ出していた道具入りのショルダーバッグを拾い上げた。</p><p>「あの、」</p><p>「道場の鍵、すぐに開けるから」</p><p> </p><p>　丁寧に砂を払って、何故かそれを自分の肩に。</p><p>　……派手に転倒した俺への気遣いなのだろうか。華奢な身体に重いショルダーの紐が食い込むのを見て、慌てて荷物に手を伸ばす。</p><p>「ごめんっ自分で持つからっ」</p><p>「いいよ。転ばせちゃったお詫び。……あ、じゃあそれ持ってきてくれる？」</p><p>　それ、とケイちゃんが指を指したのは、置石の上に転がっている竹箒だ。</p><p>　お詫びも何も心の底からありがとうといわなければならないのはこちらの方なのだけれど、とりあえず言われるがまま箒の柄をつかむ。</p><p>「……掃除？」</p><p>「うん。木が多いからねー。掃いても掃いてもってカンジだけど、朝稽古の人達が来るまでにこの門の周りくらいはと思って」</p><p>　ああ、それを邪魔したのは俺か。</p><p>　いやいや、待て待て。今気にするべき点はそこではない。</p><p>　道場方向に向かって歩き始めたケイちゃんの後ろを追いながら、その背中に話しかけた。</p><p>「……どうしてそんなことするの？」</p><p>「放っておいたら汚いじゃない」</p><p>「そりゃそうだけど……お手伝いさんいるじゃん、この家」</p><p>「勤務時間外でーす」</p><p>　いやいや。待て待て。そこでもない。</p><p>　しっかりしろ。……浮かれるな、俺。</p><p>「……いつからいるの？」</p><p> 　</p><p>　勇気を振り絞った割に、やっぱりちょっとピントがずれる。</p><p>　けれどケイちゃんはぴたりと足を止め、こちらにちらりと視線をよこした。</p><p>「ていうか、そのっ……俺のこと、」</p><p>　気持ちが足を急かす。</p><p>　横に並んで、一歩だけ前に。今度はこちらが振り向く形になる。</p><p>「――今日は霧が濃いね」</p><p>　俺の二の句を止めたのは、そんな言葉と、妖しげな微笑み。</p><p>「霧の中の再会。ドラマチックだなあ。そう思わない？　――アヤ」</p><p>　霧の中、光を取り戻した世界。</p><p>　か弱い光を反射して、きらりとひかる2つの瞳は、ゾクゾクするほど綺麗だった。 　&nbsp;</p><p><br></p><p><br></p><p><br></p><p><br></p><p><br></p>
		</div>
	]]></content></entry><entry><title><![CDATA[シナリオサンプル２　恋愛ゲーム（ノベル向き、モノローグ多め）]]></title><link rel="alternate" href="https://dflat.amebaownd.com/posts/35647812/"></link><id>https://dflat.amebaownd.com/posts/35647812</id><summary><![CDATA[※主要イベントのみ抜き出し※メインルートで[共通/1]		モノローグ		幼稚園に通っていた頃の私は、有り余る元気で大人を困らせる典型的なお転婆幼女だった。		小学生だった私は、クラスの真ん中で恋バナに夢中だった。		中学生。このへんからちょっと雲行きが怪しくなる。		そして今。高校生になって3度目の冬。		私が落ち着いたポジションは、可もなく不可もない『そこそこ』の女。なんとなく存在する、教室のオプションだ。		絵に描いたような凋落。　		昔の私を知る人の目には、この現状はとても惨めに映るだろう。　		だけど残念ながら……非常に困ったことに、今の生活に不満らしい不満はない。		私という人間そのままに、可も不可もない、つまり特段不可ではない毎日は退屈ながらも穏やかで、平和だ。				そんな高校生活も残りあとわずか。		「終わる」というよりは、日常が「変わる」		それが私の、卒業に対するスタンスだった。		//教室(放課後）//未来		「あー終わった……ようやく帰れる……」ともか		「……6時間目、見事に爆睡してたね、あんた」未来		「古賀先生の後輩が科警研にいるっていうのは理解した」ともか		「それ最初の雑談じゃん！　ったく……進路が決まってるからいいようなものを……」		1月。それまで比較的穏やかだった空気がガラリと変わった。		大学入試を目前に控え、それまで余裕ぶってたヤツも露骨に焦りを見せはじめ、あとはもう不安と焦りの伝播だ。		私は早々に、地元大学への推薦入学が決まっている。		皆が必死になって目指している学校の、下の下のレベル。		進路の決め手は、無理なく無難であること。だ。未来		「ふふ……高望みをしないのが穏やかでいられる秘訣よ」ともか		「……なにそれ。勿体無い」未来		「そう？」ともか		「あんた、やればできるタイプの典型じゃん。……私があんただったら、ランク一個上げてもっと頑張る」未来		「……びっくり」ともか		「は？」未来		「いや……意外な高評価をありがとう」ともか		「褒めてない！　やればできるのにやらないのは怠け者っていうのよ！」未来		「そこまで言う……？！」ともか		「あんたこそ言わせないでよ……」		ひどい言われようだ。		そりゃあ努力とは無縁かもしれないけれど、私は決して怠けているわけではない。			……多分。未来		「まあ、仮定の話をしても仕方ないし。……帰ろーよ」ともか		「私予備校行くし。時間まで図書室で勉強してく」未来		「そっか。……無理はしないでね」ともか		「……うん。ありがと」クラスメイト	「あれ、未来帰んの？　ばいばーい」クラスメイト	「また明日ー」		同じく進路決定済みの子も、記念受験とやらの為に勉強をしている。		この状況に何も思わないわけではないけれど、特別に勉強が出来るわけでも熱心でもない私が無意味とわかっている試験を受ける理由はない。未来		「ばいばい」		あら、何かしらこの疎外感。//廊下//		教室を出てようやく、息苦しさから解放された。		(ふう……)		(早く終わらないかな、受験）		(ああでも、受験が終わったら、もう……）拓未先生	「お。今帰りか？」未来		「手伝いませんよ」拓未先生	「……出会い頭に予防線張るのはやめなさい。気をつけて帰れよー？　最近物騒だから」未来		「はーい。さようなら、先生」拓未先生	「はい。さようなら」		//通学路//未来		「……さっむ」		教室が暖かいから忘れていたけれど、そういえば今日はこの冬一番の冷え込みになると言われていた。		はあと息を吐き出して、その白さを確かめる。		（……なんだか淋しい人みたい。……いや、実際そうなんだけど）		二学期に入ったあたりから、一人で帰ることが増えた。		単独行動は嫌いじゃない、むしろ一人の方が落ち着くタイプだと思っていたのに		いざ一人で放り出されると違った。		空いた隙間が淋しい。		返事をもらえない言葉が空回るのが虚しい。（人はそれを独り言というのです）サッカー部員	「ラスト一周ー！」サッカー部員	「ういーっす！」未来		（……運動部は元気ね）		ポケットに手を入れ、小さくなって歩く私の横をサッカー部の集団がすり抜けていく。時生		「ペース上げろー！　力振り絞れ！」未来		「あ……」		――時生だ。サッカー部	「先輩なんでそんな元気なんすか！」時生		「引退した分パワー有り余ってんだよ！」		集団の最後尾に、時生がいる。		それを確認した私は、うつむき、マフラーに顔を埋めた。		（……何で普通に部活してんの……）		サッカー部のキャプテンで、学校のアイドル的存在。		あいつの周りだけ少女漫画みたいな世界だと、いつかともかが言っていた。		私もそう思う。		いつも人に囲まれていて。囲んでいる人も目立つ人ばかりで。		幼馴染の私をおいて、すっかり遠くにいってしまった。		時生		「俺スピード上げるからなー。俺より遅いヤツ罰走ー！」サッカー部	「はあ！？　ちょっと！」サッカー部	「ひでえ！」		宣言通り加速した時生が、ぐん、と風を切るようにして私を追い抜いた。時生		「……」		すれ違い様、時生の視線を感じた気もするけれど。		顔を上げる勇気はなかった。-------------------------------------------------------------------------選択肢、行動、パラメータによりルート分岐ここから時生（メイン）ルート-------------------------------------------------------------------------[時生ルート/1]//教室(放課後)//未来		（よーし……さくっと帰ろうさくっと）ともか		「未来、今日どっか寄っていこうか」未来		「えっ何、どうしたの」ともか		「息抜きよ息抜き！　なんか煮詰まっちゃってさ。あんた見てるといい感じに気ぃ抜けるのよねえ」未来		「……それは褒めてます？」ともか		「褒めてはないけど、悪い意味ではないよ。……それに最近、ほったらかしにしてたでしょ。		そろそろ淋しくて死んじゃうんじゃないかと思って」未来		「まっさかあー！」ともか		「……帰るわ」未来		「ああっうそうそ！　嬉しいですすごく！　遊んで！　ともか！」ともか		「最初っからそう言いなさい。ったくもー」		（ひょっとして、ずっと気にしてたのかな。この前のあれ）	//廊下//ともか		「あ、拓未君だー！」未来		「手伝いません」拓未先生	「先生って呼びなさい。あとこっち。出会い頭はやめろって言ってるだろ」未来		「すみません……先生を見ると反射的に」拓未先生	「一度雑用頼んだだけでこんなに引っ張られるとはな……」ともか		「……あれ？　もしかして仲良し？」未来		「ううん。いいように使われたことがあるだけで別に……」拓未先生	「待て、人聞きが悪過ぎる。暇そうにしてたから手伝ってもらったことがあるだけだ」ともか		「なんだ。どんどん使っちゃってよ、実際暇してるんだし」未来		「待て？　待て待て？」ともか		「今日はダメだけどね！　私が先にとっちゃったから」拓未先生	「……はあ。心配しなくても、今頼むような用事はありません。寄り道もいいけど、暗くなる前に帰れよ」ともか		「はーい」未来		「はーい」拓未先生	「じゃあなー」//自宅リビング（夜）//未来		「ただいまー」母		「お帰りー。遅かったのねえ」未来		「ともかとお茶してきた」母		「あら、久しぶりじゃない」未来		「うん」		久しぶりの寄り道はすごく楽しかった。		息抜きなのだからと勉強の話は控えめに。受験が終わったらあれをしよう、これをしようと殆ど妄想に近い無茶な目標を立てて遊んだ。		幾つ叶えられるだろう。		思い返すだけで、口元が緩む。母		「ごきげんなのはいいけど、お夕飯、ちゃんと食べれるんでしょうね」未来		「大丈夫、多分。今日のご飯なに？」母		「しゃぶしゃぶよー。ふふ、ちょっといいお肉買っちゃった」未来		「何でまた。何かのお祝い？」母		「今日はお客様がいるから」未来		「……おきゃく？」		――バタバタバタバタ！　　ドン！		お客って誰。		私の疑問に応えるかのように、２階から激しい物音が聞こえた。		小学生の男の子がいるわりに、このテの騒音は我が家ではとても珍しい。		どんなモンスターがいるんだろうと、ちょっと不安になる。未来		「……お母さん」母		「あらあら、虎太郎ったら大はしゃぎね。珍しい。お兄ちゃんがきてくれて嬉しくてたまらないんだわ」未来		「おにいちゃん？」		だから、お兄ちゃんって誰よ。虎太郎		「おかあさーん！　俺のゲームどこ置いたー？　あ、お姉ちゃんお帰り」未来		「……ただいま」時生		「虎太郎！　ゲームは宿題終わってからって言っ……」未来		「え」時生		「あ」		……モンスターの方がよかったかもしれない。		何故。どうして時生が家に居るの！？母		「スーパーで偶然会ったのよ。ねー？」時生		「……うち今日親なくて、それで」母		「そんなもの食べるならうちにいらっしゃいよ！　って連れてきちゃった」未来		「……」		なるほど。無理やりつれてきたわけか。		幼馴染の親という存在は実はとても厄介だ。		小さい頃から知っているせいか、他の友達に対するそれとは明らかに違う気安さ、強引さで		NOという言葉を封じてしまう。		私も逆の立場なら間違いなく連行されていただろう。未来		「……私着替えてくるね」		時生に同情を抱きながら、そそくさと、逃げるようにリビングを出た。			冷静を装ったけれど、頭の中は大パニックだ。未来		「……なにこれ」		どうしよう。		どうしようどうしようどうしよう。		大きくなった時生が、今、私の家に居る。		//自宅リビング（夜）//虎太郎		「兄ちゃん、どうやったら兄ちゃんみたいに背ぇ伸びる？」時生		「そうだなー……とりあえず腹いっぱい、好き嫌いなく食うこと」母		「お野菜もちゃんと食べなさいってことね」虎太郎		「えー……」		湯気をたてる鍋を囲んで、家族団らん……＋1の夕食タイムが始まった。		せっかくいいお肉を使っているのに、違和感と緊張感のおかげでなかなか箸が進まない。父		「しっかし……育ったなあ……ホントにあの時生君か？」母		「アナタの娘も同じだけ育ってますよ。……でもほんとに久しぶりよね。すっかりイケメン君になっちゃって」父		「モテるだろう。今付き合ってる子とかいないの？」時生		「いないっすよ。周りも受験でそれどころじゃないし」父		「そうかー……勿体ないなー」母		「うちの娘とかどう？　時間も余裕も有り余ってるし」父		「おい！」未来		「お母さん！」母		「やあねえ、冗談よ冗談」		何を言い出すんだこの人は。		親にとっては気軽な冗談かもしれないけれど、ネタにされてしまった子供の方は気まずさ4割増しだ。時生		「大学決まってるんだ？」未来		「あ……うん。○▲大」		時生、見事なスルー！		……ちょっとは慌てるとか戸惑うかしてくれてもいいような気もする。時生		「ふうん……どうりで」未来		「何よ……」時生		「よく一人でぷらぷら歩いてるの見掛けるから。暇なんだな、と」母		「時生君は？」時生		「俺も決まってます。サッカーで推薦もらえたんで」母		「あらすごいじゃない！」父		「昔からサッカー強いもんな。君らの高校は」未来		「……どうりで」時生		「何だよ」未来		「サッカー部に混じって遊んでるの見たから。暇なんだなーって」時生		「お前と一緒にすんな。俺は後輩の指導と体力維持という目的があるの。暇じゃないの」未来		「う……」		（ぐうの音もでない……）母		「あら、二人とも学校で話したりしないの？」時生		「あー……クラスも違うし、大体男は男で固まってるんで」母		「淋しいわねえ。せっかく同じ学校にいるのに」父		「まあ、そんなもんだよ。異性同士は」未来		「……」		よくもまあつらつらと当たり障りのない言葉が出てくるものだ。素直に感心した。		時生の言っていることは嘘ではない。全部事実だ。		だけどそれはあくまでも『原因』の表面部であって、全てではない。サスケ（犬）	「ワンワン！」父		「ん？　サスケが何か言ってるぞ。飯は？」虎太郎		「あげた！」母		「お散歩かしら……今日朝の散歩しか行けてないのよね……」父		「ああ、じゃあ後で俺が……」母		「未来ちゃん、食べ終わったらでいいからお願いできる？」未来		「うん」母		「ありがとう。……でも一人じゃ危ないし、時生君、一緒に行ってあげてくれないかしら」未来		「えっ」		（また何か言い出した！）			何かを察知したのか、何も考えてないのか。		お母さんの笑顔の鉄化面は一切思考を読ませてくれない。時生		「……いいですよ」		お腹の中に大量の肉を詰め込んだ後だ。これでNOと言える人なら、そもそもここにはいないだろう。母		「よかったあ。ありがとう。お願いね、二人とも」				ここで、意味ありげなウインク。		未来		（……おかあさんっ）				……お母さんには多分一生勝てない。		//夜道//時生		「あー食ったー……」未来		「……なんか、ごめん。ほんっとごめん！」時生		「何がだよ。俺こそいきなりごめん。断れなくて」未来		「それも含めての謝罪です……」時生		「その謝罪は受け取れないな。飯旨かった。ごちそうさま」未来		「……くううう」サスケ		「ワン！」時生		「リード俺が持つよ。こいつ結構パワーありそうだし」未来		「あ……ありがとう」時生		「うん」		（……紳士だ）		サスケの散歩なんて慣れっこだし、この体に引き摺られるほどか弱くはないけれど。		あまりに自然な『女の子扱い』にこちらも思わず素直に甘えてしまった。時生		「決まりのコースとかあるの？」未来		「あるようなないような……何パターンかをランダム……サスケの気分次第」時生		「じゃあこいつに付いていけばいい？」未来		「うん」		サスケに引っ張られるがまま、時生が一歩前に出る。		時生		「……あー……寒ぃ」未来		「……うん」		普通に話せていたけれど、やっぱりこれが自然な距離感なのだろう。		隣に並ばれていた時よりも、ずっと呼吸が楽だ。		心地の良い静寂に響くのは、嬉しそうなサスケの息遣いと二人分の足音だけ。		足音が増えただけなのに、なんだか今日は別世界を歩いているような気がする。		時生		「……すげえ久々だよな。話すの。どれくらいぶり？　中学か？」未来		「かなあ……」時生		「随分変わったよな。お前。同小の連中が今のお前みたらびびるぞ。確実に」未来		「……そんなこと」				そんなこと……ある。あるなあ、確実に。		それも決していい意味の変化ではない。未来		「……変わったっていうなら、そっちだって」			いい意味で変わったのは時生だ。						時生		「俺は変わらないよ。成長はしたかもしれないけどさ」未来		「そんなことない。……私から見たら、すっかり別世界の人って感じだよ」時生		「はあ……？」未来		「遠くに行っちゃったなあってこと」		近くにいるのが当たり前。いつも隣に並んでいたのに。		……今の時生は、誰よりも遠い。時生		「……お前なあ。確かに距離は出来たよ。だけどそれは、お前が俺を近づけなかったからだろ」未来		「それは時生が」		時生が、凄いから。		隣にいるのが怖くて、恥ずかしくて、申し訳なくて。		だから、距離を。					時生		「少なくとも、俺がお前から逃げたことは一度も無いね」		――ああ、そうか時生		「俺はやるべきこととやりたいことを全力でやった。高校三年間の『結果』を変化なんて軽い言葉で片付けられると正直気分よくない。		俺がどうこう言う前に、お前は三年間何やったの？　避けたのはそっちなのに、なんで俺のせいになるんだよ」		変わったのは私。		足を止めたのも、私。		追いかけるより諦めた方が楽だから。		それが『自分らしさ』なのだと、言い訳までして。							未来		「……ごめん」時生		「……俺も言い方きつくなった。ごめん。だけど結構傷ついてたんだからな、これでも」未来		「……ほんと、ごめん」		子供じみた自己防衛。		それで誰かが傷つくだなんて考えたこともなかった。		……私が時生を傷つけるだなんて。そんなこと、全く。時生		「……うん。許した」未来		「そんなあっさり……」時生		「恨み言ばっかり言っててもしょうがない。時間が勿体無いだろ。卒業まであとちょっとしかないのに」		卒業まであと少し。		高校生活が終わるのと同時に、私達の距離は本当の意味で広がってしまう。時生		「ちゃんと話せてよかった。……もう無視すんじゃねえぞ」		今からでも間に合うだろうか。		追いつくことはできなくても、声が届くくらいの距離には近づくことができるだろうか。		未来		「……がんばる」時生		「……頑張らなきゃいけないほど嫌われてんの？　俺」未来		「いや、そうじゃなくて……その」時生		「仲直りって、元に戻るだけじゃん。特別なことじゃないだろ」		元に戻る。……簡単に言ってくれるけれど、一度形作られてしまった性格や思考を矯正はそう簡単なものではないだろう。		それに今目の前にいる時生も、あの頃とは違う、『成長』した時生だ。		戻れるものなら戻りたい。		出来ることなら……あの頃みたいに。		それにはやっぱり、今のままの私じゃダメだ。時生		「……贅沢は言わねえよ」未来		「え？」時生		「……や、なんでも」----------------------------------------------------------------------------選択肢による好感度度、規定達成時のみ-----------------------------------------------------------------------------//教室(昼休み）//						自由登校の期間が終わって、淋しかった教室も久しぶりの満員御礼。		懐かしさすら感じる活気を取り戻した。		山場を越えたのか、開き直りが入ってきたのか、休みの前よりは皆の表情も明るい。		チャイムと同時に教室を飛び出したともかの分の椅子を動かし、昼ごはんの準備に取り掛かった。						今日のお弁当は鶏そぼろご飯だ。		卒業前のラストスパートのつもりなのか、いつもよりおかずも多い。ともか		「……ちょっと見ない間に」未来		「お帰りー。パンちゃんと買えた？」ともか		「ねえ、正直に答えて？」未来		「え……何、質問による」ともか		「今廊下で聞いたんだけど……		あんた、時生君と付き合ってんの？」未来		「……は？！」		ともか帰還とともに齎されたそのセンセーショナルなニュースは、見事、当事者である私の度肝を抜いた。ともか		「噂になってるっぽいよ」未来		「付き合ってない！　ないない！」		私と、時生が、お付き合い。		どうして、どこからそういう噂が生まれたのだろう。		そりゃあ接触の機会は増えたかもしれないけれど、あくまでもゼロが10になっただけで特別なことはなにもない。		……淋しいくらいに、何も。ともか		「……だよねえ？　あんたそんな素振り全然なかったし」未来		「時生は……その」ともか		「呼び捨て？！」未来		「や、だからね。幼馴染なんだ、私達」ともか		「……」未来		「あ、あの、ともかさん」ともか		「……ああ、うん。ごめん。三年目の終盤に知った驚きの事実にちょっと反応出来なかったわ」未来		「ごめん……なんか言い出せなくて」ともか		「いや、いいけど……わかんないなあ。私だったら、あんなすごい幼馴染がいたら自慢しまくるけど」未来		「……すごいのは時生であって私の自慢にはならないと思う」ともか		「そうだけどっそんな凄い人とちょっと特別な関係の私！　みたいになんない？」未来		「その後の展開を考えただけでぞっとする」ともか		「……それもそうね」未来		「……でも……なんでいきなり噂になんか……」ともか		「心当たりは？」未来		「無いよ。ただちょっと……その、気まずい状態が終わったというか。仲直りしたというか。また話すようになっただけで……」ともか		「それよ！」未来		「どれ？！」ともか		「今までなーんの接触もなかった休み明けたらいきなり接近してんのよ？　そりゃ勘繰るでしょ普通」未来		「あ……」		成程納得。		確かに、他の人からみれば唐突な展開だったかもしれない。		しかも噂の相手は私だ。		表舞台とは一切無縁の自他共に認める「そこそこ」系女子と学校のアイドルじゃあ接点が無さ過ぎる。ともか		「最後の最後にこんなでっかい爆弾落とすなんて……やるじゃん、あんた」未来		「……はは……」		噂って、どういう噂？		どこまで広がってるの？		まさか、時生の耳にも――ともか		「……で、どうなのよ」未来		「……だから、付き合ってないってば」ともか		「そうじゃなくて。……好きなの？　時生君のこと」未来		「……」		好きかと聞かれたら。		答えは考えるまでもない。				時生という存在が『当たり前』だった頃と今では、同じことをしても、違う。		仲直りしてからは、なんでもないこと、普通であることが嬉しかった。		特別なものではない、幼馴染としてのやりとりが、自分にとっては『特別』だった。			昔みたいに。そう願っていたけれど。		今私が欲しいのは、過去ではなく未来だ。		クラスメイトA	「ちょっと未来！　あの噂ホントなの？！」クラスメイトB	「違うよね？！　未来とか完全ノーマークだし！」ともか		「ちょっと……っ」		好き。		好き。		大好き。		だけど、それを認めてしまうのは。		誰かに知られてしまうのは		（……コワイ）未来		「……ホントなわけないじゃん。私と『あの人』じゃつりあわないし」クラスメイトB	「だよねだよね？！　もー驚かせないでよー！」クラスメイトA	「でも、仲良いのは良いんでしょ？　噂になるくらいだし」クラスメイトB	「えー？　接点なくない？」クラスメイトA	「意外ではあるよね」クラスメイトB	「ま、付き合ってないならいっか。じゃあさあ、ちょっと協力してよ未来ー」ともか		「あんたさっきからちょっと飛ばし過ぎ」クラスメイトB	「いいじゃん。営業はコネが大事なのよ、コネが」クラスメイトA	「うわあ引くわー。未来、コイツは相手しなくていいからね。大して本気もでないし」」クラスメイトB	「ちょっとやめてよ勝手に。せっかく協力してくれるっていってるのにさ」クラスメイトA	「んなこと一言もいってないし」		ああ、いやだ。		はやくあっち行ってくれないかな。	クラスメイトB	「だって別に、好きってわけでもないんでしょ？」		好きだよ。未来		「……うん」		……好きなのに。時生		「盛り上がってるとこ悪いんだけど、ちょっと割り込ませてもらっていい？」クラスメイトB	「時生君……っ」ともか		「うわあ……」		（うそ……？！）				いつからそこにいたんだろう。		……聞かれた？	　どこから、どこまで？				時生		「未来、これ昨日言ってたCD」未来		「あ……」時生		「ありがとうは？」未来		「……ありがとうゴザイマス」時生		「よし。……貸し出し期限は卒業式の日でよろしく。……じゃな」		表情も声もいつも通りだけれど。		何気なく、だけどはっきりと引かれたラインに、全身の血の気が引いた。ともか		「……空気とタイミングも読めないでアイドル気取ってんじゃねえっつの。これだから体育会系は……」クラスメイトA	「……あ、やっぱ今のバッド？」ともか		「……未来見りゃわかるじゃん」クラスメイトB	「え、え、え？」		卒業式の日。それが私達の、現在と未来の境界線。		その日を越えたら終わり。……終わらせるつもりなのだ。未来		「……どう、しよ……」		もうすぐ、現在が過去へと変わる。-------------------------------------------------------------------------------------------卒業式の二日前。いつかと全く同じ展開で、時生と食卓を囲うことに。今度は母親の手をかりず、自ら犬の散歩に時生を誘う。-------------------------------------------------------------------------------------------	[時生ルート/告白]//夜の公園//		サスケに引っ張られ辿り着いたのは、いつもの、お気に入りの公園だった。		前に一緒に来た時は、前後に並んでいた足が、今は横一列に並んでいる。時生		「信じらんねえよなあ」未来		「え……？」時生		「卒業。三年間何してたっけ、俺」		（頑張ってたよ）		（すごく……誰よりも頑張ってた）		三年間。感情を共有することはなかったけど。過ごした時間は同じだ。時生		「まあ、全力で生きたことは間違いないけど」	未来		「……やっぱ凄いね、時生は」時生		「何がだよ。俺なんか、ぜんっぜん凄くない。		凄いヤツっていうのは、努力してその結果を残せるヤツのことを言うんだ。		負けりゃあ悔いも残るよ。……一生モノののな」		（私なんて、努力した思い出すらない）時生		「……でも、悪くない三年間だったかなあ。最後の最後で、お前とこうやって話せるようにもなったし」		最後。		ああ、終わるんだ。本当に。				時生		「俺さ、お前のこと好きだった」未来		「……っ」時生		「ずっと、ずっと好きだった。……気持ち悪いって思うかもれないけど。小学校ん時から、今まで」		終わらせたくない。何か言わなきゃいけないのに。		過去形でその言葉を綴った時生に、『今』の私が何が言えるだろう。未来		「時生、私」時生		「言うな。……お願いだから。もう揺さぶるのはやめてくれ」時生		「期待して、裏切られて、また期待して……そんなんばっか。俺だけ浮かれてバカみたいじゃん」時生		「……俺の自惚れじゃなければ、ちょっとは気持ちも近づけてたよな、俺ら。                 だけど……ダメなんだ。ああいう場面で咄嗟に否定する気持ちはわかるけど、でも」時生		「……ああまたかって思っちゃったんだよ、俺」時生		「お前のその癖、多分治らない。たとえ俺らが付き合えたとしても、きっと同じ事を繰り返す」時生		「気持ちが対等じゃないんだよ」		堂々と『好き』だと言えないのは、自分に自信がないからだ。		私と時生じゃ釣り合わない。		そのコンプレックスが、他人の目や言葉に敏感に反応してしまう。			自分の気持ちを否定されるのが怖くて。		……時生に置いていかれるのが、怖くて。		時生		「……またいきなり居なくなるかもしれない。そんな不安抱えたまま好きでいるのは、正直キツイ」		私はあの時、自分の保身の為に時生からの信用を失ってしまったのだ。		時生		「……お前さ、もうちょっと自信もてよ。何がどうしてそんなにこじれたんだ」未来		「……近くにスーパーマンがいたからよ」		（あ、やばい）		（……泣きそう）時生		「ほらまた人のせいにする。自信なんて他人から貰えるもんじゃないだろーが」時生		「自信をつけたないなら、自発的にやれるだけのことをやれよ。自信も不安も、結局は自分の中から生まれてくるもんなんだからさ」		時生の右手がふわりと浮いて、私の頭をポンポンと優しく叩いた。時生		「……我慢すんな」未来		「……やだ」		泣くのはダメだ。絶対に。		今泣いたら時生が悪者になる。……なろうとしてくれる。時生		「今は泣いていいタイミングだぞ。家帰って一人で泣くくらいなら今ここで泣けよ」未来		「……」時生		「……今なら俺が拭ってやれるから」		――泣きたくないのに。		どうしてこんなに優しいのかな、この人。未来		「……ごめ……」	時生		「うん」未来		「……ごめんなさい……っ」		（泣いちゃってごめん）		（……いっぱい傷つけて、ごめん）時生		「……うん。許した」				嫌いにさせてくれないなんて。		許されないほうがマシだ。	-------------------------------------------------------------------------------------------ともかに励まされ、自分の気持ちを伝える為に、もう一度信じてもらう為にCDを人質にメールで時生を呼び出すことに。-------------------------------------------------------------------------------------------	[卒業の日/時生ルート ED]		特に感動も感慨もない卒業式というイベントをこなして、クラスごとの解散式も担任の涙でそれらしく美しく終わった。		メインイベントはこれからだ。		緊張のあまりはやくも心臓がウォーミングアップを開始している。クラスメイトA	「未来、この後カラオケ行くっしょ？」未来		「行く……けどちょっと先に用事済ませてくる。先行ってて」ともか		「なんかあったらすぐ電話しなさいよ」未来		「ありがといってきます！」//昇降口//		拓未先生	「よお、卒業おめでとさん」未来		「急いでるので手伝えませんごめんなさい」拓未先生	「急いでなくても手伝わないだろ。ったく最後までそれかお前は」未来		「すみません。つい」拓未先生	「……安心した」未来		「はい？」拓未先生	「や、俺お前のことクラゲみたいなヤツだなって思ってたんだけど」未来		「最後の最後にクラゲ呼ばわりですか」拓未先生	「最後の最後だから言うんだよ。……化けたな、お前」未来		「……そうですか？」拓未先生	「うん。ちゃんと芯が通った感じがする」拓未先生	「恋でもしたのかな？」未来		「セクハラです」拓未先生	「ははっ厳しいな。まあ要因は何であれ、これで安心して送り出せるよ」未来		「先生……」拓未先生	「急いでるんだろ？　行きなさい。転ばないようにな」未来		「……はい。気が向いたら手伝いにきてあげますね」拓未先生	「ああ、期待しないで待ってるよ」拓未先生	「じゃあな」//駅前//		クラスが解散次第、駅前広場の大時計前で。		そんなアバウトな待ち合わせをしたせいで、気と足が急いた。		担任からのプレゼント、アカペラ歌唱はそりゃあもう素晴らしいものだったけれど、タイムロス、という失礼極まりない単語が頭の中ををちらつく。		（……ちゃんと話せますように）		言葉はしっかり用意してある。		あとは途中で泣かないこと。噛まないこと。パニックにならないこと。		何度も復唱した言葉をもう一度頭の中で再生しながら、人をかきわけ時計台へと走る。		（ちゃんと言わなきゃ）		（私まだ、一度も）		（好きって……//暗転//【時生ルート/ED】交通事故。]]></summary><author><name>春</name></author><published>2022-06-30T07:17:12+00:00</published><updated>2022-07-04T22:48:11+00:00</updated><content type="html"><![CDATA[
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			<p>※主要イベントのみ抜き出し</p><p>※メインルートで</p><p><br></p><p><br></p><p>[共通/1]</p><p>		</p><p>モノローグ</p><p>		幼稚園に通っていた頃の私は、有り余る元気で大人を困らせる典型的なお転婆幼女だった。</p><p>		小学生だった私は、クラスの真ん中で恋バナに夢中だった。</p><p>		中学生。このへんからちょっと雲行きが怪しくなる。</p><p>		そして今。高校生になって3度目の冬。</p><p>		私が落ち着いたポジションは、可もなく不可もない『そこそこ』の女。なんとなく存在する、教室のオプションだ。</p><p>		絵に描いたような凋落。</p><p>　		昔の私を知る人の目には、この現状はとても惨めに映るだろう。</p><p>　		だけど残念ながら……非常に困ったことに、今の生活に不満らしい不満はない。</p><p>		私という人間そのままに、可も不可もない、つまり特段不可ではない毎日は退屈ながらも穏やかで、平和だ。</p><p>		</p><p>		そんな高校生活も残りあとわずか。</p><p>		「終わる」というよりは、日常が「変わる」</p><p>		それが私の、卒業に対するスタンスだった。</p><p><br></p><p>		</p><p>//教室(放課後）//</p><p>未来		「あー終わった……ようやく帰れる……」</p><p>ともか		「……6時間目、見事<i>に</i>爆睡してたね、あんた」</p><p>未来		「古賀先生の後輩が科警研にいるっていうのは理解した」</p><p>ともか		「それ最初の雑談じゃん！　ったく……進路が決まってるからいいようなものを……」</p><p>		1月。それまで比較的穏やかだった空気がガラリと変わった。</p><p>		大学入試を目前に控え、それまで余裕ぶってたヤツも露骨に焦りを見せはじめ、あとはもう不安と焦りの伝播だ。</p><p>		私は早々に、地元大学への推薦入学が決まっている。</p><p>		皆が必死になって目指している学校の、下の下のレベル。</p><p>		進路の決め手は、無理なく無難であること。だ。</p><p>未来		「ふふ……高望みをしないのが穏やかでいられる秘訣よ」</p><p>ともか		「……なにそれ。勿体無い」</p><p>未来		「そう？」</p><p>ともか		「あんた、やればできるタイプの典型じゃん。……私があんただったら、ランク一個上げてもっと頑張る」</p><p>未来		「……びっくり」</p><p>ともか		「は？」</p><p>未来		「いや……意外な高評価をありがとう」</p><p>ともか		「褒めてない！　やればできるのにやらないのは怠け者っていうのよ！」</p><p>未来		「そこまで言う……？！」</p><p>ともか		「あんたこそ言わせないでよ……」</p><p>		ひどい言われようだ。</p><p>		そりゃあ努力とは無縁かもしれないけれど、私は決して怠けているわけではない。	</p><p>		……多分。</p><p>未来		「まあ、仮定の話をしても仕方ないし。……帰ろーよ」</p><p>ともか		「私予備校行くし。時間まで図書室で勉強してく」</p><p>未来		「そっか。……無理はしないでね」</p><p>ともか		「……うん。ありがと」</p><p>クラスメイト	「あれ、未来帰んの？　ばいばーい」</p><p>クラスメイト	「また明日ー」</p><p>		同じく進路決定済みの子も、記念受験とやらの為に勉強をしている。</p><p>		この状況に何も思わないわけではないけれど、特別に勉強が出来るわけでも熱心でもない私が無意味とわかっている試験を受ける理由はない。</p><p>未来		「ばいばい」</p><p>		あら、何かしらこの疎外感。</p><p>//廊下//</p><p>		教室を出てようやく、息苦しさから解放された。</p><p>		(ふう……)</p><p>		(早く終わらないかな、受験）</p><p>		(ああでも、受験が終わったら、もう……）</p><p>拓未先生	「お。今帰りか？」</p><p>未来		「手伝いませんよ」</p><p>拓未先生	「……出会い頭に予防線張るのはやめなさい。気をつけて帰れよー？　最近物騒だから」</p><p>未来		「はーい。さようなら、先生」</p><p>拓未先生	「はい。さようなら」		</p><p>//通学路//</p><p>未来		「……さっむ」</p><p>		教室が暖かいから忘れていたけれど、そういえば今日はこの冬一番の冷え込みになると言われていた。</p><p>		はあと息を吐き出して、その白さを確かめる。</p><p>		（……なんだか淋しい人みたい。……いや、実際そうなんだけど）</p><p>		二学期に入ったあたりから、一人で帰ることが増えた。</p><p>		単独行動は嫌いじゃない、むしろ一人の方が落ち着くタイプだと思っていたのに</p><p>		いざ一人で放り出されると違った。</p><p>		空いた隙間が淋しい。</p><p>		返事をもらえない言葉が空回るのが虚しい。（人はそれを独り言というのです）</p><p>サッカー部員	「ラスト一周ー！」</p><p>サッカー部員	「ういーっす！」</p><p>未来		（……運動部は元気ね）</p><p>		ポケットに手を入れ、小さくなって歩く私の横をサッカー部の集団がすり抜けていく。</p><p>時生		「ペース上げろー！　力振り絞れ！」</p><p>未来		「あ……」</p><p>		――時生だ。</p><p>サッカー部	「先輩なんでそんな元気なんすか！」</p><p>時生		「引退した分パワー有り余ってんだよ！」</p><p>		集団の最後尾に、時生がいる。</p><p>		それを確認した私は、うつむき、マフラーに顔を埋めた。</p><p>		（……何で普通に部活してんの……）</p><p>		サッカー部のキャプテンで、学校のアイドル的存在。</p><p>		あいつの周りだけ少女漫画みたいな世界だと、いつかともかが言っていた。</p><p>		私もそう思う。</p><p>		いつも人に囲まれていて。囲んでいる人も目立つ人ばかりで。</p><p>		幼馴染の私をおいて、すっかり遠くにいってしまった。</p><p>		</p><p>時生		「俺スピード上げるからなー。俺より遅いヤツ罰走ー！」</p><p>サッカー部	「はあ！？　ちょっと！」</p><p>サッカー部	「ひでえ！」</p><p>		宣言通り加速した時生が、ぐん、と風を切るようにして私を追い抜いた。</p><p>時生		「……」</p><p>		すれ違い様、時生の視線を感じた気もするけれど。</p><p>		顔を上げる勇気はなかった。</p><p>-------------------------------------------------------------------------</p><p>選択肢、行動、パラメータによりルート分岐</p><p>ここから時生（メイン）ルート</p><p>-------------------------------------------------------------------------</p><p>[時生ルート/1]</p><p>//教室(放課後)//</p><p>未来		（よーし……さくっと帰ろうさくっと）</p><p>ともか		「未来、今日どっか寄っていこうか」</p><p>未来		「えっ何、どうしたの」</p><p>ともか		「息抜きよ息抜き！　なんか煮詰まっちゃってさ。あんた見てるといい感じに気ぃ抜けるのよねえ」</p><p>未来		「……それは褒めてます？」</p><p>ともか		「褒めてはないけど、悪い意味ではないよ。……それに最近、ほったらかしにしてたでしょ。</p><p>		そろそろ淋しくて死んじゃうんじゃないかと思って」</p><p>未来		「まっさかあー！」</p><p>ともか		「……帰るわ」</p><p>未来		「ああっうそうそ！　嬉しいですすごく！　遊んで！　ともか！」</p><p>ともか		「最初っからそう言いなさい。ったくもー」</p><p>		（ひょっとして、ずっと気にしてたのかな。この前のあれ）</p><p>	</p><p>//廊下//</p><p>ともか		「あ、拓未君だー！」</p><p>未来		「手伝いません」</p><p>拓未先生	「先生って呼びなさい。あとこっち。出会い頭はやめろって言ってるだろ」</p><p>未来		「すみません……先生を見ると反射的に」</p><p>拓未先生	「一度雑用頼んだだけでこんなに引っ張られるとはな……」</p><p>ともか		「……あれ？　もしかして仲良し？」</p><p>未来		「ううん。いいように使われたことがあるだけで別に……」</p><p>拓未先生	「待て、人聞きが悪過ぎる。暇そうにしてたから手伝ってもらったことがあるだけだ」</p><p>ともか		「なんだ。どんどん使っちゃってよ、実際暇してるんだし」</p><p>未来		「待て？　待て待て？」</p><p>ともか		「今日はダメだけどね！　私が先にとっちゃったから」</p><p>拓未先生	「……はあ。心配しなくても、今頼むような用事はありません。寄り道もいいけど、暗くなる前に帰れよ」</p><p>ともか		「はーい」</p><p>未来		「はーい」</p><p>拓未先生	「じゃあなー」</p><p>//自宅リビング（夜）//</p><p>未来		「ただいまー」</p><p>母		「お帰りー。遅かったのねえ」</p><p>未来		「ともかとお茶してきた」</p><p>母		「あら、久しぶりじゃない」</p><p>未来		「うん」</p><p>		久しぶりの寄り道はすごく楽しかった。</p><p>		息抜きなのだからと勉強の話は控えめに。受験が終わったらあれをしよう、これをしようと殆ど妄想に近い無茶な目標を立てて遊んだ。</p><p>		幾つ叶えられるだろう。</p><p>		思い返すだけで、口元が緩む。</p><p>母		「ごきげんなのはいいけど、お夕飯、ちゃんと食べれるんでしょうね」</p><p>未来		「大丈夫、多分。今日のご飯なに？」</p><p>母		「しゃぶしゃぶよー。ふふ、ちょっといいお肉買っちゃった」</p><p>未来		「何でまた。何かのお祝い？」</p><p>母		「今日はお客様がいるから」</p><p>未来		「……おきゃく？」</p><p>		――バタバタバタバタ！　　ドン！</p><p>		お客って誰。</p><p>		私の疑問に応えるかのように、２階から激しい物音が聞こえた。</p><p>		小学生の男の子がいるわりに、このテの騒音は我が家ではとても珍しい。</p><p>		どんなモンスターがいるんだろうと、ちょっと不安になる。</p><p>未来		「……お母さん」</p><p>母		「あらあら、虎太郎ったら大はしゃぎね。珍しい。お兄ちゃんがきてくれて嬉しくてたまらないんだわ」</p><p>未来		「おにいちゃん？」</p><p>		だから、お兄ちゃんって誰よ。</p><p>虎太郎		「おかあさーん！　俺のゲームどこ置いたー？　あ、お姉ちゃんお帰り」</p><p>未来		「……ただいま」</p><p>時生		「虎太郎！　ゲームは宿題終わってからって言っ……」</p><p>未来		「え」</p><p>時生		「あ」</p><p>		……モンスターの方がよかったかもしれない。</p><p>		何故。どうして時生が家に居るの！？</p><p>母		「スーパーで偶然会ったのよ。ねー？」</p><p>時生		「……うち今日親なくて、それで」</p><p>母		「そんなもの食べるならうちにいらっしゃいよ！　って連れてきちゃった」</p><p>未来		「……」</p><p>		なるほど。無理やりつれてきたわけか。</p><p>		幼馴染の親という存在は実はとても厄介だ。</p><p>		小さい頃から知っているせいか、他の友達に対するそれとは明らかに違う気安さ、強引さで</p><p>		NOという言葉を封じてしまう。</p><p>		私も逆の立場なら間違いなく連行されていただろう。</p><p>未来		「……私着替えてくるね」</p><p>		時生に同情を抱きながら、そそくさと、逃げるようにリビングを出た。</p><p>	</p><p>		冷静を装ったけれど、頭の中は大パニックだ。</p><p>未来		「……なにこれ」</p><p>		どうしよう。</p><p>		どうしようどうしようどうしよう。</p><p>		大きくなった時生が、今、私の家に居る。</p><p>		</p><p>//自宅リビング（夜）//</p><p>虎太郎		「兄ちゃん、どうやったら兄ちゃんみたいに背ぇ伸びる？」</p><p>時生		「そうだなー……とりあえず腹いっぱい、好き嫌いなく食うこと」</p><p>母		「お野菜もちゃんと食べなさいってことね」</p><p>虎太郎		「えー……」</p><p>		湯気をたてる鍋を囲んで、家族団らん……＋1の夕食タイムが始まった。</p><p>		せっかくいいお肉を使っているのに、違和感と緊張感のおかげでなかなか箸が進まない。</p><p>父		「しっかし……育ったなあ……ホントにあの時生君か？」</p><p>母		「アナタの娘も同じだけ育ってますよ。……でもほんとに久しぶりよね。すっかりイケメン君になっちゃって」</p><p>父		「モテるだろう。今付き合ってる子とかいないの？」</p><p>時生		「いないっすよ。周りも受験でそれどころじゃないし」</p><p>父		「そうかー……勿体ないなー」</p><p>母		「うちの娘とかどう？　時間も余裕も有り余ってるし」</p><p>父		「おい！」</p><p>未来		「お母さん！」</p><p>母		「やあねえ、冗談よ冗談」</p><p>		何を言い出すんだこの人は。</p><p>		親にとっては気軽な冗談かもしれないけれど、ネタにされてしまった子供の方は気まずさ4割増しだ。</p><p>時生		「大学決まってるんだ？」</p><p>未来		「あ……うん。○▲大」</p><p>		時生、見事なスルー！</p><p>		……ちょっとは慌てるとか戸惑うかしてくれてもいいような気もする。</p><p>時生		「ふうん……どうりで」</p><p>未来		「何よ……」</p><p>時生		「よく一人でぷらぷら歩いてるの見掛けるから。暇なんだな、と」</p><p>母		「時生君は？」</p><p>時生		「俺も決まってます。サッカーで推薦もらえたんで」</p><p>母		「あらすごいじゃない！」</p><p>父		「昔からサッカー強いもんな。君らの高校は」</p><p>未来		「……どうりで」</p><p>時生		「何だよ」</p><p>未来		「サッカー部に混じって遊んでるの見たから。暇なんだなーって」</p><p>時生		「お前と一緒にすんな。俺は後輩の指導と体力維持という目的があるの。暇じゃないの」</p><p>未来		「う……」</p><p>		（ぐうの音もでない……）</p><p>母		「あら、二人とも学校で話したりしないの？」</p><p>時生		「あー……クラスも違うし、大体男は男で固まってるんで」</p><p>母		「淋しいわねえ。せっかく同じ学校にいるのに」</p><p>父		「まあ、そんなもんだよ。異性同士は」</p><p>未来		「……」</p><p>		よくもまあつらつらと当たり障りのない言葉が出てくるものだ。素直に感心した。</p><p>		時生の言っていることは嘘ではない。全部事実だ。</p><p>		だけどそれはあくまでも『原因』の表面部であって、全てではない。</p><p>サスケ（犬）	「ワンワン！」</p><p>父		「ん？　サスケが何か言ってるぞ。飯は？」</p><p>虎太郎		「あげた！」</p><p>母		「お散歩かしら……今日朝の散歩しか行けてないのよね……」</p><p>父		「ああ、じゃあ後で俺が……」</p><p>母		「未来ちゃん、食べ終わったらでいいからお願いできる？」</p><p>未来		「うん」</p><p>母		「ありがとう。……でも一人じゃ危ないし、時生君、一緒に行ってあげてくれないかしら」</p><p>未来		「えっ」</p><p>		（また何か言い出した！）</p><p>	</p><p>		何かを察知したのか、何も考えてないのか。</p><p>		お母さんの笑顔の鉄化面は一切思考を読ませてくれない。</p><p>時生		「……いいですよ」</p><p>		お腹の中に大量の肉を詰め込んだ後だ。これでNOと言える人なら、そもそもここにはいないだろう。</p><p>母		「よかったあ。ありがとう。お願いね、二人とも」</p><p>		</p><p>		ここで、意味ありげなウインク。</p><p>		</p><p>未来		（……おかあさんっ）</p><p>		</p><p>		……お母さんには多分一生勝てない。</p><p>		</p><p>//夜道//</p><p>時生		「あー食ったー……」</p><p>未来		「……なんか、ごめん。ほんっとごめん！」</p><p>時生		「何がだよ。俺こそいきなりごめん。断れなくて」</p><p>未来		「それも含めての謝罪です……」</p><p>時生		「その謝罪は受け取れないな。飯旨かった。ごちそうさま」</p><p>未来		「……くううう」</p><p>サスケ		「ワン！」</p><p>時生		「リード俺が持つよ。こいつ結構パワーありそうだし」</p><p>未来		「あ……ありがとう」</p><p>時生		「うん」</p><p>		（……紳士だ）</p><p>		サスケの散歩なんて慣れっこだし、この体に引き摺られるほどか弱くはないけれど。</p><p>		あまりに自然な『女の子扱い』にこちらも思わず素直に甘えてしまった。</p><p>時生		「決まりのコースとかあるの？」</p><p>未来		「あるようなないような……何パターンかをランダム……サスケの気分次第」</p><p>時生		「じゃあこいつに付いていけばいい？」</p><p>未来		「うん」</p><p>		サスケに引っ張られるがまま、時生が一歩前に出る。</p><p>		</p><p>時生		「……あー……寒ぃ」</p><p>未来		「……うん」</p><p>		普通に話せていたけれど、やっぱりこれが自然な距離感なのだろう。</p><p>		隣に並ばれていた時よりも、ずっと呼吸が楽だ。</p><p>		心地の良い静寂に響くのは、嬉しそうなサスケの息遣いと二人分の足音だけ。</p><p>		足音が増えただけなのに、なんだか今日は別世界を歩いているような気がする。		</p><p>時生		「……すげえ久々だよな。話すの。どれくらいぶり？　中学か？」</p><p>未来		「かなあ……」</p><p>時生		「随分変わったよな。お前。同小の連中が今のお前みたらびびるぞ。確実に」</p><p>未来		「……そんなこと」</p><p>		</p><p>		そんなこと……ある。あるなあ、確実に。</p><p>		それも決していい意味の変化ではない。</p><p>未来		「……変わったっていうなら、そっちだって」</p><p>	</p><p>		いい意味で変わったのは時生だ。</p><p>						</p><p>時生		「俺は変わらないよ。成長はしたかもしれないけどさ」</p><p>未来		「そんなことない。……私から見たら、すっかり別世界の人って感じだよ」</p><p>時生		「はあ……？」</p><p>未来		「遠くに行っちゃったなあってこと」</p><p>		近くにいるのが当たり前。いつも隣に並んでいたのに。</p><p>		……今の時生は、誰よりも遠い。</p><p>時生		「……お前なあ。確かに距離は出来たよ。だけどそれは、お前が俺を近づけなかったからだろ」</p><p>未来		「それは時生が」</p><p>		時生が、凄いから。</p><p>		隣にいるのが怖くて、恥ずかしくて、申し訳なくて。</p><p>		だから、距離を。</p><p>					</p><p>時生		「少なくとも、俺がお前から逃げたことは一度も無いね」</p><p>		――ああ、そうか</p><p>時生		「俺はやるべきこととやりたいことを全力でやった。高校三年間の『結果』を変化なんて軽い言葉で片付けられると正直気分よくない。</p><p>		俺がどうこう言う前に、お前は三年間何やったの？　避けたのはそっちなのに、なんで俺のせいになるんだよ」</p><p>		変わったのは私。</p><p>		足を止めたのも、私。</p><p>		追いかけるより諦めた方が楽だから。</p><p>		それが『自分らしさ』なのだと、言い訳までして。				</p><p>			</p><p>未来		「……ごめん」</p><p>時生		「……俺も言い方きつくなった。ごめん。だけど結構傷ついてたんだからな、これでも」</p><p>未来		「……ほんと、ごめん」</p><p>		子供じみた自己防衛。</p><p>		それで誰かが傷つくだなんて考えたこともなかった。</p><p>		……私が時生を傷つけるだなんて。そんなこと、全く。</p><p>時生		「……うん。許した」</p><p>未来		「そんなあっさり……」</p><p>時生		「恨み言ばっかり言っててもしょうがない。時間が勿体無いだろ。卒業まであとちょっとしかないのに」</p><p>		卒業まであと少し。</p><p>		高校生活が終わるのと同時に、私達の距離は本当の意味で広がってしまう。</p><p>時生		「ちゃんと話せてよかった。……もう無視すんじゃねえぞ」</p><p>		今からでも間に合うだろうか。</p><p>		追いつくことはできなくても、声が届くくらいの距離には近づくことができるだろうか。</p><p>		</p><p>未来		「……がんばる」</p><p>時生		「……頑張らなきゃいけないほど嫌われてんの？　俺」</p><p>未来		「いや、そうじゃなくて……その」</p><p>時生		「仲直りって、元に戻るだけじゃん。特別なことじゃないだろ」</p><p>		元に戻る。……簡単に言ってくれるけれど、一度形作られてしまった性格や思考を矯正はそう簡単なものではないだろう。</p><p>		それに今目の前にいる時生も、あの頃とは違う、『成長』した時生だ。</p><p>		戻れるものなら戻りたい。</p><p>		出来ることなら……あの頃みたいに。</p><p>		それにはやっぱり、今のままの私じゃダメだ。</p><p>時生		「……贅沢は言わねえよ」</p><p>未来		「え？」</p><p>時生		「……や、なんでも」</p><p>----------------------------------------------------------------------------</p><p>選択肢による好感度度、規定達成時のみ</p><p>-----------------------------------------------------------------------------</p><p>//教室(昼休み）//</p><p>		</p><p>		</p><p>		自由登校の期間が終わって、淋しかった教室も久しぶりの満員御礼。</p><p>		懐かしさすら感じる活気を取り戻した。</p><p>		山場を越えたのか、開き直りが入ってきたのか、休みの前よりは皆の表情も明るい。</p><p>		チャイムと同時に教室を飛び出したともかの分の椅子を動かし、昼ごはんの準備に取り掛かった。				</p><p>		今日のお弁当は鶏そぼろご飯だ。</p><p>		卒業前のラストスパートのつもりなのか、いつもよりおかずも多い。</p><p>ともか		「……ちょっと見ない間に」</p><p>未来		「お帰りー。パンちゃんと買えた？」</p><p>ともか		「ねえ、正直に答えて？」</p><p>未来		「え……何、質問による」</p><p>ともか		「今廊下で聞いたんだけど……</p><p>		あんた、時生君と付き合ってんの？」</p><p>未来		「……は？！」</p><p>		ともか帰還とともに齎されたそのセンセーショナルなニュースは、見事、当事者である私の度肝を抜いた。</p><p>ともか		「噂になってるっぽいよ」</p><p>未来		「付き合ってない！　ないない！」</p><p>		私と、時生が、お付き合い。</p><p>		どうして、どこからそういう噂が生まれたのだろう。</p><p>		そりゃあ接触の機会は増えたかもしれないけれど、あくまでもゼロが10になっただけで特別なことはなにもない。</p><p>		……淋しいくらいに、何も。</p><p>ともか		「……だよねえ？　あんたそんな素振り全然なかったし」</p><p>未来		「時生は……その」</p><p>ともか		「呼び捨て？！」</p><p>未来		「や、だからね。幼馴染なんだ、私達」</p><p>ともか		「……」</p><p>未来		「あ、あの、ともかさん」</p><p>ともか		「……ああ、うん。ごめん。三年目の終盤に知った驚きの事実にちょっと反応出来なかったわ」</p><p>未来		「ごめん……なんか言い出せなくて」</p><p>ともか		「いや、いいけど……わかんないなあ。私だったら、あんなすごい幼馴染がいたら自慢しまくるけど」</p><p>未来		「……すごいのは時生であって私の自慢にはならないと思う」</p><p>ともか		「そうだけどっそんな凄い人とちょっと特別な関係の私！　みたいになんない？」</p><p>未来		「その後の展開を考えただけでぞっとする」</p><p>ともか		「……それもそうね」</p><p>未来		「……でも……なんでいきなり噂になんか……」</p><p>ともか		「心当たりは？」</p><p>未来		「無いよ。ただちょっと……その、気まずい状態が終わったというか。仲直りしたというか。また話すようになっただけで……」</p><p>ともか		「それよ！」</p><p>未来		「どれ？！」</p><p>ともか		「今までなーんの接触もなかった休み明けたらいきなり接近してんのよ？　そりゃ勘繰るでしょ普通」</p><p>未来		「あ……」</p><p>		成程納得。</p><p>		確かに、他の人からみれば唐突な展開だったかもしれない。</p><p>		しかも噂の相手は私だ。</p><p>		表舞台とは一切無縁の自他共に認める「そこそこ」系女子と学校のアイドルじゃあ接点が無さ過ぎる。</p><p>ともか		「最後の最後にこんなでっかい爆弾落とすなんて……やるじゃん、あんた」</p><p>未来		「……はは……」</p><p>		噂って、どういう噂？</p><p>		どこまで広がってるの？</p><p>		まさか、時生の耳にも――</p><p>ともか		「……で、どうなのよ」</p><p>未来		「……だから、付き合ってないってば」</p><p>ともか		「そうじゃなくて。……好きなの？　時生君のこと」</p><p>未来		「……」</p><p>		好きかと聞かれたら。</p><p>		答えは考えるまでもない。</p><p>		</p><p>		時生という存在が『当たり前』だった頃と今では、同じことをしても、違う。</p><p>		仲直りしてからは、なんでもないこと、普通であることが嬉しかった。</p><p>		特別なものではない、幼馴染としてのやりとりが、自分にとっては『特別』だった。</p><p>	</p><p>		昔みたいに。そう願っていたけれど。</p><p>		今私が欲しいのは、過去ではなく未来だ。</p><p>		</p><p>クラスメイトA	「ちょっと未来！　あの噂ホントなの？！」</p><p>クラスメイトB	「違うよね？！　未来とか完全ノーマークだし！」</p><p>ともか		「ちょっと……っ」</p><p>		好き。</p><p>		好き。</p><p>		大好き。</p><p>		だけど、それを認めてしまうのは。</p><p>		誰かに知られてしまうのは</p><p>		（……コワイ）</p><p>未来		「……ホントなわけないじゃん。私と『あの人』じゃつりあわないし」</p><p>クラスメイトB	「だよねだよね？！　もー驚かせないでよー！」</p><p>クラスメイトA	「でも、仲良いのは良いんでしょ？　噂になるくらいだし」</p><p>クラスメイトB	「えー？　接点なくない？」</p><p>クラスメイトA	「意外ではあるよね」</p><p>クラスメイトB	「ま、付き合ってないならいっか。じゃあさあ、ちょっと協力してよ未来ー」</p><p>ともか		「あんたさっきからちょっと飛ばし過ぎ」</p><p>クラスメイトB	「いいじゃん。営業はコネが大事なのよ、コネが」</p><p>クラスメイトA	「うわあ引くわー。未来、コイツは相手しなくていいからね。大して本気もでないし」」</p><p>クラスメイトB	「ちょっとやめてよ勝手に。せっかく協力してくれるっていってるのにさ」</p><p>クラスメイトA	「んなこと一言もいってないし」</p><p>		ああ、いやだ。</p><p>		はやくあっち行ってくれないかな。</p><p>	</p><p>クラスメイトB	「だって別に、好きってわけでもないんでしょ？」</p><p>		好きだよ。</p><p>未来		「……うん」</p><p>		……好きなのに。</p><p>時生		「盛り上がってるとこ悪いんだけど、ちょっと割り込ませてもらっていい？」</p><p>クラスメイトB	「時生君……っ」</p><p>ともか		「うわあ……」</p><p>		（うそ……？！）</p><p>		</p><p>		いつからそこにいたんだろう。</p><p>		……聞かれた？	　どこから、どこまで？</p><p>				</p><p>時生		「未来、これ昨日言ってたCD」</p><p>未来		「あ……」</p><p>時生		「ありがとうは？」</p><p>未来		「……ありがとうゴザイマス」</p><p>時生		「よし。……貸し出し期限は卒業式の日でよろしく。……じゃな」</p><p>		表情も声もいつも通りだけれど。</p><p>		何気なく、だけどはっきりと引かれたラインに、全身の血の気が引いた。</p><p>ともか		「……空気とタイミングも読めないでアイドル気取ってんじゃねえっつの。これだから体育会系は……」</p><p>クラスメイトA	「……あ、やっぱ今のバッド？」</p><p>ともか		「……未来見りゃわかるじゃん」</p><p>クラスメイトB	「え、え、え？」</p><p>		卒業式の日。それが私達の、現在と未来の境界線。</p><p>		その日を越えたら終わり。……終わらせるつもりなのだ。</p><p>未来		「……どう、しよ……」</p><p>		もうすぐ、現在が過去へと変わる。</p><p>-------------------------------------------------------------------------------------------</p><p>卒業式の二日前。</p><p>いつかと全く同じ展開で、時生と食卓を囲うことに。今度は母親の手をかりず、自ら犬の散歩に時生を誘う。</p><p>-------------------------------------------------------------------------------------------	</p><p>[時生ルート/告白]</p><p>//夜の公園//</p><p>		サスケに引っ張られ辿り着いたのは、いつもの、お気に入りの公園だった。</p><p>		前に一緒に来た時は、前後に並んでいた足が、今は横一列に並んでいる。</p><p>時生		「信じらんねえよなあ」</p><p>未来		「え……？」</p><p>時生		「卒業。三年間何してたっけ、俺」</p><p>		（頑張ってたよ）</p><p>		（すごく……誰よりも頑張ってた）</p><p>		三年間。感情を共有することはなかったけど。過ごした時間は同じだ。</p><p>時生		「まあ、全力で生きたことは間違いないけど」	</p><p>未来		「……やっぱ凄いね、時生は」</p><p>時生		「何がだよ。俺なんか、ぜんっぜん凄くない。</p><p>		凄いヤツっていうのは、努力してその結果を残せるヤツのことを言うんだ。</p><p>		負けりゃあ悔いも残るよ。……一生モノののな」</p><p>		（私なんて、努力した思い出すらない）</p><p>時生		「……でも、悪くない三年間だったかなあ。最後の最後で、お前とこうやって話せるようにもなったし」</p><p>		最後。</p><p>		ああ、終わるんだ。本当に。</p><p>				</p><p>時生		「俺さ、お前のこと好きだった」</p><p>未来		「……っ」</p><p>時生		「ずっと、ずっと好きだった。……気持ち悪いって思うかもれないけど。小学校ん時から、今まで」</p><p>		終わらせたくない。何か言わなきゃいけないのに。</p><p>		過去形でその言葉を綴った時生に、『今』の私が何が言えるだろう。</p><p>未来		「時生、私」</p><p>時生		「言うな。……お願いだから。もう揺さぶるのはやめてくれ」</p><p>時生		「期待して、裏切られて、また期待して……そんなんばっか。俺だけ浮かれてバカみたいじゃん」</p><p>時生		「……俺の自惚れじゃなければ、ちょっとは気持ちも近づけてたよな、俺ら。</p><p>                 だけど……ダメなんだ。ああいう場面で咄嗟に否定する気持ちはわかるけど、でも」</p><p>時生		「……ああまたかって思っちゃったんだよ、俺」</p><p>時生		「お前のその癖、多分治らない。たとえ俺らが付き合えたとしても、きっと同じ事を繰り返す」</p><p>時生		「気持ちが対等じゃないんだよ」</p><p>		堂々と『好き』だと言えないのは、自分に自信がないからだ。</p><p>		私と時生じゃ釣り合わない。</p><p>		そのコンプレックスが、他人の目や言葉に敏感に反応してしまう。</p><p>	</p><p>		自分の気持ちを否定されるのが怖くて。</p><p>		……時生に置いていかれるのが、怖くて。</p><p>		</p><p>時生		「……またいきなり居なくなるかもしれない。そんな不安抱えたまま好きでいるのは、正直キツイ」</p><p>		私はあの時、自分の保身の為に時生からの信用を失ってしまったのだ。</p><p>		</p><p>時生		「……お前さ、もうちょっと自信もてよ。何がどうしてそんなにこじれたんだ」</p><p>未来		「……近くにスーパーマンがいたからよ」</p><p>		（あ、やばい）</p><p>		（……泣きそう）</p><p>時生		「ほらまた人のせいにする。自信なんて他人から貰えるもんじゃないだろーが」</p><p>時生		「自信をつけたないなら、自発的にやれるだけのことをやれよ。自信も不安も、結局は自分の中から生まれてくるもんなんだからさ」</p><p>		時生の右手がふわりと浮いて、私の頭をポンポンと優しく叩いた。</p><p>時生		「……我慢すんな」</p><p>未来		「……やだ」</p><p>		泣くのはダメだ。絶対に。</p><p>		今泣いたら時生が悪者になる。……なろうとしてくれる。</p><p>時生		「今は泣いていいタイミングだぞ。家帰って一人で泣くくらいなら今ここで泣けよ」</p><p>未来		「……」</p><p>時生		「……今なら俺が拭ってやれるから」</p><p>		――泣きたくないのに。</p><p>		どうしてこんなに優しいのかな、この人。</p><p>未来		「……ごめ……」	</p><p>時生		「うん」</p><p>未来		「……ごめんなさい……っ」</p><p>		（泣いちゃってごめん）</p><p>		（……いっぱい傷つけて、ごめん）</p><p>時生		「……うん。許した」</p><p>		</p><p>		嫌いにさせてくれないなんて。</p><p>		許されないほうがマシだ。</p><p>	</p><p>-------------------------------------------------------------------------------------------</p><p>ともかに励まされ、自分の気持ちを伝える為に、もう一度信じてもらう為にCDを人質にメールで時生を呼び出すことに。</p><p>-------------------------------------------------------------------------------------------	</p><p>[卒業の日/時生ルート ED]</p><p>		特に感動も感慨もない卒業式というイベントをこなして、クラスごとの解散式も担任の涙でそれらしく美しく終わった。</p><p>		メインイベントはこれからだ。</p><p>		緊張のあまりはやくも心臓がウォーミングアップを開始している。</p><p>クラスメイトA	「未来、この後カラオケ行くっしょ？」</p><p>未来		「行く……けどちょっと先に用事済ませてくる。先行ってて」</p><p>ともか		「なんかあったらすぐ電話しなさいよ」</p><p>未来		「ありがといってきます！」</p><p>//昇降口//</p><p>		</p><p>拓未先生	「よお、卒業おめでとさん」</p><p>未来		「急いでるので手伝えませんごめんなさい」</p><p>拓未先生	「急いでなくても手伝わないだろ。ったく最後までそれかお前は」</p><p>未来		「すみません。つい」</p><p>拓未先生	「……安心した」</p><p>未来		「はい？」</p><p>拓未先生	「や、俺お前のことクラゲみたいなヤツだなって思ってたんだけど」</p><p>未来		「最後の最後にクラゲ呼ばわりですか」</p><p>拓未先生	「最後の最後だから言うんだよ。……化けたな、お前」</p><p>未来		「……そうですか？」</p><p>拓未先生	「うん。ちゃんと芯が通った感じがする」</p><p>拓未先生	「恋でもしたのかな？」</p><p>未来		「セクハラです」</p><p>拓未先生	「ははっ厳しいな。まあ要因は何であれ、これで安心して送り出せるよ」</p><p>未来		「先生……」</p><p>拓未先生	「急いでるんだろ？　行きなさい。転ばないようにな」</p><p>未来		「……はい。気が向いたら手伝いにきてあげますね」</p><p>拓未先生	「ああ、期待しないで待ってるよ」</p><p>拓未先生	「じゃあな」</p><p>//駅前//</p><p>		クラスが解散次第、駅前広場の大時計前で。</p><p>		そんなアバウトな待ち合わせをしたせいで、気と足が急いた。</p><p>		担任からのプレゼント、アカペラ歌唱はそりゃあもう素晴らしいものだったけれど、タイムロス、という失礼極まりない単語が頭の中ををちらつく。</p><p>		（……ちゃんと話せますように）</p><p>		言葉はしっかり用意してある。</p><p>		あとは途中で泣かないこと。噛まないこと。パニックにならないこと。</p><p>		何度も復唱した言葉をもう一度頭の中で再生しながら、人をかきわけ時計台へと走る。</p><p>		（ちゃんと言わなきゃ）</p><p>		（私まだ、一度も）</p><p>		（好きって……</p><p><br></p><p>//暗転//</p><p><br></p><p>【時生ルート/ED】交通事故。</p>
		</div>
	]]></content></entry><entry><title><![CDATA[シナリオサンプル1 恋愛シナリオ（会話文のみ/ゲーム、動画等）]]></title><link rel="alternate" href="https://dflat.amebaownd.com/posts/35647595/"></link><id>https://dflat.amebaownd.com/posts/35647595</id><summary><![CDATA[【シチュエーション】チェーン系居酒屋【登場人物】ヒロイン　大学生　田森（ヒロインの男友達。ヒロインのことが好き。ヒロインの気持ちを知っている）　水野（ヒロインの好きな相手。田森とは親友同士）【場面　恋愛相談】※ゲームの場合、水野ルート攻略中に田森ルートがひらくイメージ//居酒屋////SE ガヤガヤ音//ヒロイン「はい、カンパーイ！」田森　　「……かんぱーい」//SE 乾杯の音//ヒロイン「なに、テンション低くない？」田森　　「残念ながらこれが今の俺のマックスだよ」　　　　「なんだよこの状況。なんで俺とお前が二人で酒飲みに来てるわけ」ヒロイン「記憶喪失……」田森　　「ちげえわ。純粋な疑問だろ。意味わかんねえ」ヒロイン「……いいじゃん、たまにはこういう日があっても」　　　　「今日は田森とお酒飲みたい気分だったの！」田森　　「……ハア。なんかあったの。って聞くべき？」ヒロイン「……聞いてくださいます？」田森　　「聞いてやるからそれやめろ」　　　　「察して察して～ってやつ」　　　　「そういうのは付き合ってる奴以外にはやるな」　　　　「あいつにもやるなよ」ヒロイン「田森は手厳しいなあ」田森　　「言ってやるだけ優しいだろ」ヒロイン（どうしたんだろ……今日の田森、ちょっと不機嫌？）ヒロイン「……何かあったってわけじゃないんだけど」田森　　「うん」ヒロイン「ちょっと手詰まり？　っていうか」　　　　「どうしたらいいのかわかんなくなっちゃって」田森　　「どうしたら……？　攻めあぐねてるってこと？」ヒロイン「ざっくりに言うとそう」　　　　「たとえばー……ラインするじゃん？」田森　　「うん」ヒロイン「秒で終わるのよ。スタンプぽんで終わり」　　　　「オチを言う前に落とされる？　みたいな」田森　　「……」ヒロイン「今ちょっと笑ったでしょ」田森　　「悪い。その画面があまりにも鮮明に思い浮かんだもんだから」　　　　　　「つうか、水野は誰にでもそうだよ。無視はしないけど余計なことは言わない」　　　　「あいつに雑談を期待するな」ヒロイン「うん、わかってる。……わかってるけどさ」　　　　「誰にでもそう、っていうことは」　　　　「私のことはホントに、何とも思ってないってことだよね」田森　　「……そうだろうな」ヒロイン「……そこは～！　フォローするところでしょ～？！」田森　　「俺言ったじゃん。察して攻撃はやめろって」　　　　「欲しい言葉が決まってるなら、他所いってくれます？」ヒロイン「ぐぬ……ぐぬぬ……」田森　　「――話聞く以上、無責任な慰めはしないからな。俺は」ヒロイン「……」　　　　（――なんか納得しちゃった）　　　　（すっごい、水野君の親友って感じ）田森　　「……大体、期待値が高すぎるんだよ」　　　　「お前はまだいわば攻略中の身だろ？」　　　　「特別待遇を求めるほうが間違ってる」田森　　「お前が日頃どれだけ攻め込んでるのかはしらないけどな」ヒロイン「それは……連絡先聞いたり」田森　　「うん」ヒロイン「ええっと、一緒の授業受けたり」田森　　「……うん？　うん」ヒロイン「ラインしてみたり」田森　　「……」ヒロイン「イベントの時横に座ってみたり」　　　　「あ、もちろん自分から話しかけるよ」　　　　「あとはー……」田森　　「ストップ。……もういい」　　　　「あんさあ。めっちゃ言いにくいこと言っていい？」ヒロイン「え、駄……」田森　　「駄目っていわれても言うけど」　　　　「俺とお前、連絡先交換してるじゃん」ヒロイン「う、うん」田森　　「一緒の授業、受けてんじゃん」　　　　「これを努力というのはどうかと思うけど」※小声でヒロイン「……うん、はい」田森　　「ラインもするし、イベントの時も大体近くいるだろ」ヒロイン「……」　　　　「水野と俺、何か違うか？　これ」ヒロイン「……え、ええと」　　　　（たしかに――？！）田森　　「ついでに。水野と二人で飯を食いにいったことは？」ヒロイン「……ないです」田森　　「はい、俺のが一歩リード」　　　　「……馬鹿かかよ。なんだよこのわけわかんねえ状況は」　　　　「くそっ」※小声でヒロイン「で、でも田森は友達だし……！」田森　　「おお、そうだな。――そりゃもう立派にオトモダチだわ。」　　　　「でもお前と水野も紛うことなきお友達だよ。少なくとも現時点では」　　　　「お前がまず誘うべきなのは、俺じゃなくて水野だったんじゃないの」ヒロイン「……そう、いわれると」田森　　「……」ヒロイン「ぐうの音も……でない……」　　　　田森　　「……まあ、お前が何も努力してないとは言わないよ」　　　　「可愛くなっ……いや、服の趣味も変わったよな」ヒロイン「……わかる？」田森　　「結構露骨に変わったから、流石に」　　　　「でもそれも伝わらなきゃ意味ないわけ」　　　　「変わったな、って気づいても、「なんで」がわからないんじゃだめだろ」ヒロイン（田森の言うとおりだ）　　　　（ただ変わるだけなら、ただの自己満足だよね）　　　　（そう、見てもらいたい人に「ちゃんと」みてもらわなきゃ……）田森　　「……俺としたことが普通にアドバイスっぽいことをしてしまった」ヒロイン「なんでちょっと悔しそうなの……」　　　　「すごくたすかるよ。その、目が覚めたっていうか」田森　　「……いや、そもそも俺、恋愛相談を異性にする女子って苦手なんだよな」　　　　「今までもいたけど、なんかこう、あざとくて無理」ヒロイン「それは……その子になんらかの下心があったのでは」田森　　「ああ、それもあったかも」ヒロイン「私は大丈夫、ない、ないよ全然！」田森　　「わかってるよ強調すんな」　　　　「わかってるから、こうしてのこのこ出てきちゃったんだろ」ヒロイン「友情パワーだ！」田森　　「はいはいはい、そうですね」ヒロイン「田森はさ、ないの」田森　　「は？」ヒロイン「そういう、恋バナ的なお悩み？　良い機会だから吐いちゃえば」　　　　「私は田森みたいに頭よくないから、役にたてるかはわかんないけど」田森　　「……俺は別に、無い」　　　　「少なくともお前に話せることは一個も」ヒロイン「ええ、なにそれ」　　　　「何かありそうだぞ～？　たもり～？」田森　　「――むやみやたらに藪をつつくんじゃねえよ」　　　　「なんか出てきたらどうするんだ」ヒロイン「何かって……何よ」田森　　「さあ。蛇とか。――下心とか？」ヒロイン「え……？」田森　　「200円で枝豆が食えるような店で何いってんのって思うかもしれないけど」　　　　「こんな店選んだのも、わざわざ聞きたくもない話しに来たのも」　　　　「どっちも俺の友達としての誠意。」　　　　「無駄にすんな。……頼むから」ヒロイン「……せいい」田森　　「そ。……ホント、馬鹿でたすかる」]]></summary><author><name>春</name></author><published>2022-06-30T06:55:38+00:00</published><updated>2022-07-04T22:48:25+00:00</updated><content type="html"><![CDATA[
		<div>
			<p><br></p><p>【シチュエーション】チェーン系居酒屋</p><p>【登場人物】ヒロイン　大学生</p><p>　田森（ヒロインの男友達。ヒロインのことが好き。ヒロインの気持ちを知っている）</p><p>　水野（ヒロインの好きな相手。田森とは親友同士）</p><p>【場面　恋愛相談】※ゲームの場合、水野ルート攻略中に田森ルートがひらくイメージ</p><p><br></p><p><br></p><p>//居酒屋//</p><p>//SE ガヤガヤ音//</p><p>ヒロイン「はい、カンパーイ！」</p><p>田森　　「……かんぱーい」</p><p>//SE 乾杯の音//</p><p>ヒロイン「なに、テンション低くない？」</p><p>田森　　「残念ながらこれが今の俺のマックスだよ」</p><p>　　　　「なんだよこの状況。なんで俺とお前が二人で酒飲みに来てるわけ」</p><p>ヒロイン「記憶喪失……」</p><p>田森　　「ちげえわ。純粋な疑問だろ。意味わかんねえ」</p><p>ヒロイン「……いいじゃん、たまにはこういう日があっても」</p><p>　　　　「今日は田森とお酒飲みたい気分だったの！」</p><p>田森　　「……ハア。なんかあったの。って聞くべき？」</p><p>ヒロイン「……聞いてくださいます？」</p><p>田森　　「聞いてやるからそれやめろ」</p><p>　　　　「察して察して～ってやつ」</p><p>　　　　「そういうのは付き合ってる奴以外にはやるな」</p><p>　　　　「あいつにもやるなよ」</p><p>ヒロイン「田森は手厳しいなあ」</p><p>田森　　「言ってやるだけ優しいだろ」</p><p>ヒロイン（どうしたんだろ……今日の田森、ちょっと不機嫌？）</p><p>ヒロイン「……何かあったってわけじゃないんだけど」</p><p>田森　　「うん」</p><p>ヒロイン「ちょっと手詰まり？　っていうか」</p><p>　　　　「どうしたらいいのかわかんなくなっちゃって」</p><p>田森　　「どうしたら……？　攻めあぐねてるってこと？」</p><p>ヒロイン「ざっくりに言うとそう」</p><p>　　　　「たとえばー……ラインするじゃん？」</p><p>田森　　「うん」</p><p>ヒロイン「秒で終わるのよ。スタンプぽんで終わり」</p><p>　　　　「オチを言う前に落とされる？　みたいな」</p><p>田森　　「……」</p><p>ヒロイン「今ちょっと笑ったでしょ」</p><p>田森　　「悪い。その画面があまりにも鮮明に思い浮かんだもんだから」　　</p><p>　　　　「つうか、水野は誰にでもそうだよ。無視はしないけど余計なことは言わない」</p><p>　　　　「あいつに雑談を期待するな」</p><p>ヒロイン「うん、わかってる。……わかってるけどさ」</p><p>　　　　「誰にでもそう、っていうことは」</p><p>　　　　「私のことはホントに、何とも思ってないってことだよね」</p><p>田森　　「……そうだろうな」</p><p>ヒロイン「……そこは～！　フォローするところでしょ～？！」</p><p>田森　　「俺言ったじゃん。察して攻撃はやめろって」</p><p>　　　　「欲しい言葉が決まってるなら、他所いってくれます？」</p><p>ヒロイン「ぐぬ……ぐぬぬ……」</p><p>田森　　「――話聞く以上、無責任な慰めはしないからな。俺は」</p><p>ヒロイン「……」</p><p>　　　　（――なんか納得しちゃった）</p><p>　　　　（すっごい、水野君の親友って感じ）</p><p>田森　　「……大体、期待値が高すぎるんだよ」</p><p>　　　　「お前はまだいわば攻略中の身だろ？」</p><p>　　　　「特別待遇を求めるほうが間違ってる」</p><p>田森　　「お前が日頃どれだけ攻め込んでるのかはしらないけどな」</p><p>ヒロイン「それは……連絡先聞いたり」</p><p>田森　　「うん」</p><p>ヒロイン「ええっと、一緒の授業受けたり」</p><p>田森　　「……うん？　うん」</p><p>ヒロイン「ラインしてみたり」</p><p>田森　　「……」</p><p>ヒロイン「イベントの時横に座ってみたり」</p><p>　　　　「あ、もちろん自分から話しかけるよ」</p><p>　　　　「あとはー……」</p><p>田森　　「ストップ。……もういい」</p><p>　　　　「あんさあ。めっちゃ言いにくいこと言っていい？」</p><p>ヒロイン「え、駄……」</p><p>田森　　「駄目っていわれても言うけど」</p><p>　　　　「俺とお前、連絡先交換してるじゃん」</p><p>ヒロイン「う、うん」</p><p>田森　　「一緒の授業、受けてんじゃん」</p><p>　　　　「これを努力というのはどうかと思うけど」※小声で</p><p>ヒロイン「……うん、はい」</p><p>田森　　「ラインもするし、イベントの時も大体近くいるだろ」</p><p>ヒロイン「……」</p><p>　　　　「水野と俺、何か違うか？　これ」</p><p>ヒロイン「……え、ええと」</p><p>　　　　（たしかに――？！）</p><p>田森　　「ついでに。水野と二人で飯を食いにいったことは？」</p><p>ヒロイン「……ないです」</p><p>田森　　「はい、俺のが一歩リード」</p><p>　　　　「……馬鹿かかよ。なんだよこのわけわかんねえ状況は」</p><p>　　　　「くそっ」※小声で</p><p>ヒロイン「で、でも田森は友達だし……！」</p><p>田森　　「おお、そうだな。――そりゃもう立派にオトモダチだわ。」</p><p>　　　　「でもお前と水野も紛うことなきお友達だよ。少なくとも現時点では」</p><p>　　　　「お前がまず誘うべきなのは、俺じゃなくて水野だったんじゃないの」</p><p>ヒロイン「……そう、いわれると」</p><p>田森　　「……」</p><p>ヒロイン「ぐうの音も……でない……」　　　　</p><p>田森　　「……まあ、お前が何も努力してないとは言わないよ」</p><p>　　　　「可愛くなっ……いや、服の趣味も変わったよな」</p><p>ヒロイン「……わかる？」</p><p>田森　　「結構露骨に変わったから、流石に」</p><p>　　　　「でもそれも伝わらなきゃ意味ないわけ」</p><p>　　　　「変わったな、って気づいても、「なんで」がわからないんじゃだめだろ」</p><p>ヒロイン（田森の言うとおりだ）</p><p>　　　　（ただ変わるだけなら、ただの自己満足だよね）</p><p>　　　　（そう、見てもらいたい人に「ちゃんと」みてもらわなきゃ……）</p><p>田森　　「……俺としたことが普通にアドバイスっぽいことをしてしまった」</p><p>ヒロイン「なんでちょっと悔しそうなの……」</p><p>　　　　「すごくたすかるよ。その、目が覚めたっていうか」</p><p>田森　　「……いや、そもそも俺、恋愛相談を異性にする女子って苦手なんだよな」</p><p>　　　　「今までもいたけど、なんかこう、あざとくて無理」</p><p>ヒロイン「それは……その子になんらかの下心があったのでは」</p><p>田森　　「ああ、それもあったかも」</p><p>ヒロイン「私は大丈夫、ない、ないよ全然！」</p><p>田森　　「わかってるよ強調すんな」</p><p>　　　　「わかってるから、こうしてのこのこ出てきちゃったんだろ」</p><p>ヒロイン「友情パワーだ！」</p><p>田森　　「はいはいはい、そうですね」</p><p>ヒロイン「田森はさ、ないの」</p><p>田森　　「は？」</p><p>ヒロイン「そういう、恋バナ的なお悩み？　良い機会だから吐いちゃえば」</p><p>　　　　「私は田森みたいに頭よくないから、役にたてるかはわかんないけど」</p><p>田森　　「……俺は別に、無い」</p><p>　　　　「少なくともお前に話せることは一個も」</p><p>ヒロイン「ええ、なにそれ」</p><p>　　　　「何かありそうだぞ～？　たもり～？」</p><p>田森　　「――むやみやたらに藪をつつくんじゃねえよ」</p><p>　　　　「なんか出てきたらどうするんだ」</p><p>ヒロイン「何かって……何よ」</p><p>田森　　「さあ。蛇とか。――下心とか？」</p><p>ヒロイン「え……？」</p><p>田森　　「200円で枝豆が食えるような店で何いってんのって思うかもしれないけど」</p><p>　　　　「こんな店選んだのも、わざわざ聞きたくもない話しに来たのも」</p><p>　　　　「どっちも俺の友達としての誠意。」</p><p>　　　　「無駄にすんな。……頼むから」</p><p>ヒロイン「……せいい」</p><p>田森　　「そ。……ホント、馬鹿でたすかる」</p>
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